
英語のリーディング力を上げたいけど、どんな参考書を使ったらいいの?
TOEICや英検等の検定試験でも長文問題は大きなウェイトを占めています。大学入試でも、年々、長文化が進んでいて、長文読解力やリーディング力が大切です。
英語のリーティング力・長文読解力を上げるために、問題集や参考書を買おうと思っても、たくさん種類がありすぎて一体どれを選んだら良いのかで悩む人も多いですね。
実際に使ってみて本当に使えるものを紹介するぞ!

この記事を書いた人
現役英語教師(20年目)。高校3年時、1日14時間の独学で偏差値40台から80まで上げる。浪人を経験し、文学部英文科から英語教師の道へ。英検1級一発合格・TOEIC満点。教育困難校からトップ校で勤務。abcを書けない生徒から東大・京大を受験する生徒まで指導経験あり。
こんな方におすすめ
- 英語の長文読解力・リーディング力を伸ばしたい
- 長文問題集をしているけど向上している実感がない
- 英文を読み間違えない力を身につけたい
今回紹介する参考書を使って練習すれば、正確に英文を読む力が身につきます。
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おすすめの英語参考書は誰が書いたかが大切

おすすめの英語参考書は、タイトルよりも著者、つまり、誰が書いたかの方が大切です。

タイトルとか解説とかで決めるんじゃないの?
タイトルは、正直言って、どれも似たりよったりで、判断材料にはなりません。
解説も詳しい方が分かりやすくて良いですが、結局、解説の内容は解説を書いている人しだいです。
特に、リーティング力や読解力は、英文の文構造を説明したり、日本語訳をしたりするだけよりも、どうやって英語を正確に読む方法について明確なコンセプトを打ち出している解説の方が力が身につきます。
有名な人は数多くいるが、リーディングや長文読解の力を付けたいなら薬袋善郎さんが超絶おすすめだ!

リーディング力を身につけたいなら薬袋善郎さんの参考書を読もう
リーディング力を身につけたいのであれば薬袋善郎さんの執筆した参考書をおすすめします。

えと・・・。なんて読むの?
「みないよしろう」と読みます。
薬袋氏は、英語のリーディングに特化した、英語を読むための独自の方法論を提唱しています。
今まで英文をなんとなく読んでいた人に、特におすすめ。

こんな人に向いている
- 英文を読んでいて読み間違えることが多い。
- 英文読解力を身につけたいが、何をしたら良いのか分からない。
- 辞書や文法参考書で単語や語句を調べてもなんとなくしか英文を理解できない。
英文を読む際に、どんなふうに考えたら良いのか、英語の構文に対して、どんなふうに取り組んだら良いのかを、具体的に明確に示してくれています。
薬袋氏の本のポイント
英語を読んだときに「絶対に読み間違えない」と考えるための頭の使い方を教えてくれています。

予備校講師っていう肩書だから受験英語なの?
薬袋善郎さんの参考書は、受験などの目先の長文問題の解き方ではなく、英文を正しく読むための頭の働かせ方を教えてくれます。
薬袋善郎さんのリーディングのコンセプト
薬袋善郎さんのリーティングのコンセプトはFrame of Reference(フレイム・オブ・リファレンス、F.o.R.)と呼ばれる考え方です。
Frame of Reference
この F.o.R. とは、薬袋善郎さんによると「英語構文を考えるための判断枠組」と定義されています。
品詞分解や動詞の活用を使って英語構文を判断していこうという考え方です。

動詞の活用は分かるけど、英語で品詞分解するの?
古典ではよくやる品詞分解を、英語でもやって、一語一語の意味だけでなく働きを考えて英文を読んでいきます。
語が持つ働きが正しく理解できたら、読み間違えることが無くなるんだ。

私自身も、薬袋善郎さんの本を読んで、F.o.Rの考え方を知り、目から鱗が落ちたような感覚になりました。
私の実体験
正直、それまでもある程度英語が読めていたし、そこそこ英語を読むことに自信はありました。当時、英検準1級、TOEIC800程度のスコアは持っていました。それでも、「たまに」読み間違えをすることもありました。日本語訳を読んだら、納得はできるし、理解もできるけれど、「なぜ読み間違えたか」までは考えることができませんでした。
最初、品詞分解や働きを考えることは、正直言って面倒くさかったです。本当に一語一語丁寧にきちんと読んでいくので、とても大変です。
我慢して訓練することで、読み間違えることがほとんどなくなり、「こうとしか読めない」、「絶対の自信を持って読める」という状態になりました。
薬袋善郎さんFoRの素晴らしさは、解説を読んだときに「なぜ読み間違えたのか」を知ることができることです。
これまでの参考書や問題集では読み間違えた部分の日本語訳をなんとなく読んで終わりです。しかし薬袋善郎さんの解説は事細かに正確に読む手順が書いてあるので、「自分がどこで間違えたのか」を知ることができるのです。
これまで英語学習をしてきた人にとっては、文法の考え方や捉え方が少し異なりますが、信じて続けることで「確かな構文把握能力」を身につけることができます。
薬袋善郎さんのおすすめ参考書
薬袋善郎さんは多くの参考書を出されています。
「英語リーディング教本」がFrame of Referenceの基本的な考え方を網羅する最初の1冊になります。
説明等は読みやすくはありません。製品マニュアルを読んでいるような感じで、緻密な論理で解説しています。
英語を正確に読む際に必要となる頭の働きを事細かに説明しています。
正直言って、詳しすぎて理解するのに最初は苦労するが、ゆっくりと諦めずに解説を読んでほしい。

薬袋善郎さんの他の本は、この「英語リーディング教本」の解説をもとに書かれていますので、この1冊をやっておいた方が良いですね。
もう1冊は個人的なお気に入りの「思考力を磨く英文精読講義」です。
一応は、長文読解の問題集ですが設問が普通の問題集と違ってとても面白い!「和訳しなさい」が基本の設問ですが、後半になると独特な設問が入ってきます。
独特な設問例
- Lesson5「なぜ筆者は下線部がヨーロッパ人研究者の説を支持するものだと言っているのか?そして、それは論理的に十分筋が通っているのだろうか?」
- Lesson 13「次の英文中には意味不明な箇所が一箇所あります。それがどこで、なぜ意味不明なのかを説明しなさい」
英語を正確に読む訓練はもちろんのこと、英文の論旨を正確につかむために、とことん論理を突き詰めていきます。「わかった気になっているが、本当には分かっていない」という状態を脱することができます。
「思考力を磨く」にふさわしい内容になっている。

膨大な量の解説で事細かに理詰めで解説されています。途中で息抜き的に掲載されている3つのエッセイも大変参考になりますよ。
まとめ おすすめ英語参考書をまずは1冊トライ!

今回紹介した薬袋善郎さんの参考書や問題集はリーディング力の向上に特化しているものです。これまでの長文問題集や参考書よりも、より論理的に英語を読むことができるようになりますよ。
単に、問題を解いて解説を読むだけの参考書ではなくて、理屈で英語が読めるようになる!

薬袋善郎さんの参考書や問題集は、実際に使ってみて、本当に眼から鱗が落ちるような感覚になりました。
参考書選びの注意点
薬袋善郎さん本人も言っているようにF.o.Rの考え方に対して反感を持つ人や合わない人がいることが確かです。
参考書や問題集の効果には個人差があり、一人ひとりに合う、合わないということが当然あります。
ぜひ1冊挑戦して、自分に合うかどうかを確かめてください。この記事が皆さんの英語学習の助けになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。