英語長文をすらすらと読みたい!
英語を速く読めるようになりたい!
速読のためにスラッシュリーディングを身につけよう!

今回は、英語速読に必須のスキル「スラッシュリーディング」のやり方を解説します。

スラッシュリーディングってよく耳にするけど、実際はどうやってやるの?
この記事を読むと、スラッシュリーディングの具体的なやり方やコツが理解できます。
この記事を書いた人
現役英語教師(20年目)。高校3年時、1日14時間の独学で偏差値40台から80まで上げる。浪人を経験し、文学部英文科から英語教師の道へ。英検1級一発合格・TOEIC満点。教育困難校からトップ校で勤務。abcを書けない生徒から東大・京大を受験する生徒まで指導経験あり。
この記事でわかること
- スラッシュリーディングとは?
- スラッシュリーディングの具体的なやり方
- スラッシュリーディングをする上での注意点
英語を読むのに時間がかかってしまうとお悩みの方は是非お読みください。
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英語の速読に必須の技術「スラッシュリーディング」

スラッシュリーディングは英語速読のための必須の技術です。
英語の語順のまま「意味のまとまり」(sense group)ごとに読んで、意味をつかんでいく読み方をスラッシュリーディングといいます。フレーズ単位で読むのでフレーズリーディングと呼ばれることもありますが、同じことを指します。
意味のまとまりごとに英文にスラッシュを入れて読むからスラッシュリーディングと呼ばれます。
速読できる理由は英語の語順に通りに読むから

スラッシューリーディングで速読ができる理由は、英語の語順どおりに読むからです。
英文の読み方
- (普通の読み方)英語 → 日本語 → 情報・メッセージ
- (スラッシュリーディング)英語 → 情報・メッセージ
英語を読むのにいちいち日本語訳をしていたら時間はかかりますよね。
英語と日本語では語順が大きく違うので、英文をきれいな日本語にしてから理解しようとすると、とても時間がかかります。

英語を英語の語順のまま読むと、左から右へ視線がすすんでいくので、視線の流れがとまらないので、スムーズに読むことができます。
一方で、英語を日本語の語順で読もうとすると、視線があっちこっちへ飛ぶ、いわゆる「返り読み」になってしまいます。そうすると、当然視線の流れが悪くなり、時間がかかってしまいますね。
「英語を読む」ことは「和訳」ではなくて、情報を読み取ることだ!


でも、日本語に直さないと理解できないんじゃないの?
英語を読む目的は、情報やメッセージを読み取ること。「英語を読む」と「日本語に直す」は別の問題です。
【英語速読】スラッシュリーディングのやり方

ここから、英語を速読するスラッシュリーディグの実際のやり方を説明しましょう。
スラッシュリーディングの基本

まずはスラッシュリーディングの基本を確認しておきます。
- 英文の意味のカタマリにスラッシュ( / )を入れる
- 語順どおりに読んでいく
簡単な例で確認しましょう。
- He was the captain / of the basketball club / in his school.
意味のカタマリごとにスラッシュを入れ、そのカタマリごとに意味をとっていきます。
- He was the captain:彼はキャプテンだ
- of the basketball club:バスケットボール部の
- in his school.:彼の学校の
ちょっとずつ前から情報を読み取っていくと、「彼は学校のバスケ部のキャプテンだ」と情報が読み取れます。

なんとなく分かったけど、どこでスラッシュを入れる基準とかあるの?
簡単な英文ならともかく、少し難しいと、どこでスラッシュを入れて、英文を区切ればよいかと悩むかもしれませんね。
区切り方の基本ルールを確認いておきましょう。
スラッシュの入れ方は7個の基本ルールに従う

スラッシュは、自分で意味のとれる長さで入れるのが原則です。しかし、基本ルールを押さえておく必要があります。
スラッシュを入れる箇所
- 接続詞の前
- 長い主語・目的語・補語の前後
- 長い前置詞句の前
- to 不定詞の前
- 比較級 than の前
- 接続詞 that の前
- 関係詞の前
たくさんあると思うかもしれませんが、慣れてしまうと無意識にスラッシュを入れられるようになります。
それでは1つずつ確認して行こう。

接続詞の前(カンマがある箇所)
I wanted to be a florist / when I was a child.
私は花屋になりたかった / 子どもの頃に
接続詞whenの前でスラッシュを入れています。カンマ( , )の箇所も同じように区切りを入れましょう。
長い主語・目的語・補語の前後
The girl singing on the stage / is my sister.
舞台で歌っている女の子は / 私の妹です。
長い主語の後でスラッシュを入れています。
長い主語は後で区切るのが原則ですが、目的語や補語の場合は、前で区切ったり、後ろで区切ったりすることがあります。
「どちらが正しいのか」とあまり神経質にならず、自分が意味が取りやすい方で大丈夫です。スラッシュはあくまでも目安ですから、自分が読みやすい位置でいいですよ。
長い前置詞句の前
The tree is famous / for its wonderful shape.
その木は有名だ / その素晴らしい形で。
前置詞forの前でスラッシュを入れています。
to不定詞の前
I have a friend / to talk with.
私には友達がいます / 話をする。
to不定詞の前でスラッシュを入れています。少し短いですが、あくまでも例文だと考えてください。
比較級 than の前
The river is cleaner / than before.
その川はより綺麗だ / 以前よりも。
比較の場合だと、thanやasの前で区切ると分かりやすいですね。
接続詞 that の前
I found / that Paul was a very good tennis player.
私は分かった / ポールはテニスがとても上手だと。
SV+thatの形でよく出てくる「接続詞のthat」は、前で区切りましょう。
関係詞の前
These are the CDs / that I bought last year.
これらはCDです / 私が去年買った。
関係代名詞のthatの前で区切っています。
従来のように「これらは、(私が去年買った)CDです」と返り読みをしないことが重要です。
以上の7つのルールに基づいて、スラッシュを入れて、英語の語順どおりに意味を拾いながら読むのがスラッシュリーディングです。

このルールに絶対に従うべき?
このルールは、あくまでも基本です。
繰り返しになりますが、スラッシュは意味を取りやすくするための手段。全部の箇所にスラッシュを入れる必要があるわけではありません。
自分が意味を取りやすい位置にスラッシュを入れていけば大丈夫!

では次に、スラッシュを入れる位置についての注意点を確認しておきます。
【英語速読】スラッシュリーディングの注意点

スラッシュリーディングの注意点は、スラッシュの数を増やしすぎないことです。

スラッシュを入れた方が、読みやすくなるんじゃないの?
ある程度「慣れ」も必要だけど、スラッシュの数が多すぎると読む速度が遅くなることがあるんだ。

慣れるまでは、細かくスラッシュを入れながら読んでいくことが大切です。スラッシュリーディングに慣れてきたら、スラッシュの数を減らして、意味のカタマリを大きくしてみましょう。
スラッシュが多い
People / in other countries / are also careful / about numbers. People / in China / feel it lucky / that they can have a car / with the number 8 / on the license plate. The pronunciation / of 8 / in their language / is easily associated / with a word / meaning / "prosperity / or fortune."
人々 / 他の国の / はまた注意深い / 数について。 人々 / 中国の / それを幸運と感じる / 車を持つことを / 8の数がついた / ナンバープレートに。 その発音 / 8の / 彼らの言葉で / 簡単に連想される / ある言葉と /「繁栄」と /「幸運」を意味する。

なんか、かえって分かりにくい気がする・・・
基本のルールはあるけれど、どこまでスラッシュを入れるか、は読む人の英語力次第になります。もう少しスラッシュを減らして、カタマリを大きくしてみましょう。
より大きな意味のカタマリ
People in other countries / are also careful about numbers. People in China feel it lucky / that they can have a car / with the number 8 on the license plate. The pronunciation of 8 in their language / is easily associated / with a word meaning "prosperity or fortune."
他の国々の人たちは / また数字に注意深い。中国の人たちは幸運と考える / 車を持つことに / ナンバープレートに8のついた。彼らの言葉で8の発音は / 容易に連想される / 「繁栄」と「幸運」を意味する言葉を
かなりざっくりと大きく区切りました。
大きく区切ると、小さく区切るよりも、意味を速く理解できる。つまり、読むスピードが速くなります。
もちろん最初は無理をせずに、小さく区切れば良いが、慣れてきたら大きく区切ってスピードアップを目指そう。

スラッシュリーディングで英語を速く読める

スラッシュリーディングは、英語速く読むための必須の技術です。
速読に役立つのはもちろんのこと、リスニング力のアップにも役立ちます。なぜなら、英語の語順で理解する力が身につくからです。
英語を読むときにスラッシュを入れつつ、英語の意味をカタマリとしてつかまえていきましょう。
もちろん、すぐに身につくわけではありません。やはりある程度の練習が必要です。
練習教材が欲しい場合は、おそらく参考書で初めてスラッシュリーディングの考え方と取り入れた『英文直読TRY AGAIN!』をおすすめ。
スラッシュリーディングの説明をより詳しく、さらに問題演習を通して、効果的に身につけることができます。
スラッシュリーディングに慣れると、一生もののスキルがにつきます。
英語系の資格試験の長文も楽々!

最後までお読みいただきありがとうございました。