分野別勉強法

【絶対に伸びる】英語リスニング勉強方法

2020年4月23日

困った人

英語のリスニングが苦手です。勉強仕方もよく分からないんです。

英検やTOEICなどの検定試験、大学入試、高校入試にいたるまで、いろいろとリスニング力を問う問題はあります。試験だけでなく、英語で会話をしようとしても、そもそも相手が何を言っているのかが分からないと会話が成立しませんよね。

そんな大事なリスニングですが、学校教育ではリスニングの勉強にあまり時間を取れていません

英文法や長文読解、英作文に時間を取られてしまい、リスニングにまで手が回っていないのが学校現場の状況です。

たそ

学校でよくするリスニングの練習は「CDを流して問題集をひたすら解く」くらいでしょうか。しかし、リスニング問題集を解いても身に付くのは問題を解くテクニックで、リスニング力はあまり向上しません。

困った人

じゃあ、リスニング力を向上させるにはどんな勉強をしたら良いのですか?

リスニング力は、現在のリスニング力に応じて原因と対策を考えることで効果的に身に付けることができます。この記事では、正しいリスニング勉強法として、リスニング力を上げたいと考えているあなたにぴったりの勉強の仕方を紹介します。

この記事はこんな方におすすめ

  • リスニング力を身につけたい
  • リスニングの勉強方法を知りたい
  • リスニングの勉強を何をしたら良いか分からない

英語のリスニング力はトータルの英語の勉強が必要

英語のリスニング力はトータルの英語の勉強が必要
リスニング力向上には英語全体の力が必要

まず大切な前提を。

英語リスニング力を上げるには、リスニングの勉強だけでなく、全体としての英語の勉強が必要です。

つまり、リスニングは「聞く練習」だけではダメ!

たそ

もちろん聞く練習は必要ですが、それだけでなく、以下のようなトータルの英語の勉強が必要になります。

ポイント

  • 単語力を付ける
  • 発音のルールの勉強
  • 英文法やリーディングの勉強
  • 音読・精聴・多聴で耳を鍛える

ただ聞くだけじゃなくて、コツコツ英語学習することがリスニング向上につながります。

たそ

上述の前提を踏まえた上で、自分のリスニング力のレベル、つまり「どれくらい聞き取りができるか」に応じて必要な英語学習を取り入れていけば、効果的にリスニング力が上がります。

それでは、次にリスニングのレベル別の勉強方法を見ていきましょう。

英語リスニングが苦手な状態の原因と勉強法

英語リスニングが苦手な状態の原因と勉強法
なぜ苦手なのかを考えましょう。

英語リスニング力を上げるためには自分が今どんな状況なのかを知る必要があります。苦手と一口に言っても、いろんな状態があります。まずは、その分析をしていきましょう。

大きく分けて4つの「リスニングができない状態」があります。

英語リスニング4つの苦手状態

  1. 流れてくる英語を単語として認識できない
  2. 単語は聞こえるが文全体の意味が分からない
  3. ゆっくりはともかく音声が早いと理解できない
  4. 何度か繰り返し聞かないと理解できない

この4つのレベル別に、英語を聞き取れない原因を考え、改善のために必要なことを明確にして、勉強方法に取り入れる方が、効果的にリスニング力をあげることができますね。

それでは1つずつ、原因と対策をみていきます。

①流れてくる英語を単語として認識できない

1つ目は、そもそも流れてくる音を単語として認識できない状態です。なんか英語っぽいの話してるけど、何も聞き取れない・・・という状態。

これには3つの原因が考えられます。

ポイント

  1. 知らない単語が多すぎる
  2. 単語は知っているが音声と結びつかない
  3. 単語がいくつか固まって別の音に聞こえる

原因はこれら3つ。この原因に対する勉強法は以下のようになります。

  • 単語を覚える
  • 発音できる単語を増やす
  • 音読で音の変化に慣れる

それでは1つずつもう少し詳しく説明しますね。

単語を知らない

単語を知らない場合は、単語を覚えるしかないので、地道に単語を増やしていきましょう。知っている単語が増えたら、少しは聞こえるようになるはずです。

ちょっとずつでも、単語を覚えて、聞こえる単語が増えてきたら、モチベーションも上がります。まずは、我慢して単語を覚えていきましょう。

単語は知っているが音声と結びつかない

単語は知っているが音声と結びつかない状態。音声を聞いていたときは分からなかったけど、スクリプトを見たら知っている単語ばかりだった、という状態。

「文字を見ると分かるが音を聞いただけでは分からない。」

単語を発音できるように練習しないといけないですね。単語を覚える際に一緒に発音も覚えて、文字と音を繋げていきましょう。

発音できない音は聞こえない。せっかく単語を覚えるなら、声に出してセットで発音も覚えよう。

たそ

単語がいくつか固まって別の音に聞こえる

単語が1語だけだとはっきり聞こえますが、いくつか固まると別の音に聞こえることがあります。だから、ある程度聞き取れるけど、スピードが上がるとちょっと聞き取りにくい。

英語では、ある単語の発音が欠落したり変わったりすることがよくあります。

もっと詳しく

リンキング(連結):前後の音が連結して別の音に聞こえるタイプ。

  • front of :「フロンタブ」/frʌnt(ə)v/ 
  • kind of :「カインダブ」/kάɪnd(ə)v/
  • would you:「ウッジュー」/wˈʊdjʊ/

リダクション(欠落):ある音が発音されない

  • good job はしばしば「グッジョブ」dが消える
  • I like him. 「アイライキム」hが消える

このように、単語がつながると、音がくっつりたり、消えたりすることがよくあります。

英語の音のスピードが上がるとよく起こる現象です。

音の変化を知る勉強方法としては音読が最適

一語一語音読するのではなくて、ネイティブの真似をして音の繋がりや欠落を意識して音読したら良いですね。

②単語は聞こえるけど文全体の意味が分からない

2つ目は、単語は分かるのに(聞き取れるのに)文全体の情報が理解できない状態です。これも原因は3つ考えられます。

ポイント

  • 文法・構文の知識不足
  • 返り読みをしている
  • 背景知識がない

このレベルの「リスニングが苦手」は、聞く力が無いわけではなくて、単純に英文をスムーズに理解する力、リーディング力が弱いことが原因の場合が多い。

文法・構文の知識不足

いくら単語が聞こえても、英文を理解する力がないと情報を理解することができません。そのためにはやはり英文法や構文の勉強は必要です。

つまり、リスニング練習とはいえ、聞こえた英語を理解するためには、リーディングの力も必要ということになります。

返り読みをしている

リスニングで英文を理解するために大切なのはスピード

リスニングで英文を理解するには、前から意味を取っていく必要があります。

英文を返り読み的な理解をしていたら間に合いません。聞いたことをすぐさま理解する必要があります。

つまり、必要なのは速読力。返り読みをせずに前から理解していく読み方、スラッシュ・リーディングができないと聞こえてきた英語をすぐに理解できない。

これもリーディング力になりますね。

背景知識がない

背景知識は聞くためにも読むためにも必要です。知っている話は頭に入って来やすいものですね。

自分のよく知らないテーマは、いくら単語を聞き取れて英文を理解できたとしても、具体的にイメージが持てません。

「結局、何の話かよく分からない」という状態になってしまいます。

日本語でも構わないから、普段から新聞を読むなどアンテナを広げることも英語学習の1つだ。

たそ

「単語は聞こえるのに英文の意味がよく分からない」というこの段階をクリアするには、聞く練習と同時に、リーディング力(読む力)を向上させる練習をした方がいいですね。

リーディングの勉強法については、別の記事にまとめています。合わせてお読みください。

英語リーディングの伸びる勉強法【5つの手順で攻略】

続きを見る

③ゆっくりだと理解できるが早い音声が聞き取れない

3つ目は、スピードについていけないという状態です。これは主に次の2つが原因です。

ポイント

  • 単語がいくつか固まって別の音に聞こえる
  • 情報に対する反応が遅い

単語のカタマリが別の音に聞こえるのは、先ほど説明した通り。音読練習を取り入れて、連結と欠落を覚えていくのが面倒くさいけど1番の近道ですね。

情報に対する反応が遅い

「反応が遅い」というのは、聞こえてくる英文を即座に理解できない。情報処理のスピードが遅いということです。情報処理のスピードを上げるには読むスピードを上げる練習が最適。

いわゆる「英語速読」ができるようになれば、聞こえてくる英文を理解するスピードも速くなります。そのためにも、返り読みをしないスラッシュ・リーディングが必要になりますね。

繰り返されると理解できるが一回では理解できない

4つ目は、何度か繰り返されると理解できるけど、一度聞いただけでは理解できない状態です。

ポイント

  • 音に対する集中力が足りない
  • 情報に対する反応が遅い
  • 返り読みをしている

「何度も聞き直さないと理解できない。」その主な原因は一発勝負の集中力が不足していることです。

リスニングの問題とかなら2回聞くことができるものがあるけど、実際に英語を使う場面でいちいち英語を聞き直すわけにはいかないですよね。

集中力が足りない

リスニングの集中力を高める練習方法はいくつかありますが、リスニングにおける練習方法としてはディクテーションシャドーイングと呼ばれる練習が集中力を高めるのに役立ちます。

ディクテーションとシャドーイング

  • ディクテーションは英文を聞いて話された英語を書き取る練習。聞き取れるまで何度も繰り返し、音声に集中して正確に聞き取ることを目指します。
  • シャドーイングは読まれた音声の後に続いて影(シャドー)のように後に続けて発音する練習です。やってみると分かりますがすごく音声に集中しないといけません

ディクテーションとシャドーイングは、かなり難易度と負荷が高い練習方法ですが、リスニング力向上の秘訣である、音に対する集中力のアップが見込めます。

この練習をコツコツ続けるとリスニングの力は劇的に向上します。

英語リスニングの具体的な勉強方法

英語リスニングの具体的な勉強方法
リスニングの具体的な勉強方法です

これまで見てきたように、英語のリスニングの向上には、聞くだけでなく、読むことも含めたトータルの英語の勉強が必要になります。

困った人

リスニング力を伸ばすには、聞く練習と合わせて、文法とかの勉強も必要なんですね。

それではリスニング向上のために、どんな勉強をしたら良いのかをまとめてみます。

リスニング力向上に必要な学習

  • 単語を覚える(その際に発音も一緒に)
  • 英文法や読解力を付ける
  • 音の変化を覚える
  • 精聴と多聴で英語の音声に慣れる

単語や英文法は英語学習の基本なので、リスニングの勉強に限らずコツコツと積み上げましょう。単語学習に関しては、別の記事でまとめていますので合わせてお読みください。

合わせて読みたい
【難関受験・TOEIC900・英検1級対策】英単語の勉強法

続きを見る

単語を覚える際には音も一緒に覚えて、発音もできるようにしておこう。

たそ

スラッシュリーディングなどの英文読解力についても、先ほど紹介した記事に詳しくまとめています。ぜひ読んで素早く英文を理解するスキルを身につけましょう。

素早く英文を読む力が、聞いた英文を素早く理解できる力につながります。

英語リーディングの伸びる勉強法【5つの手順で攻略】

続きを見る

最後に「音の変化」と「音声に慣れること(精聴と多聴)」におすすめの勉強法と教材を紹介しておきます。漠然とリスニング問題を解くより、こうした教材で目的を持って聞く練習をすると、効果的にリスニング力が身に付きますよ。

音の変化を覚える勉強方法

欠落や連結などの音の変化に対応するための勉強方法は2つのステップで取り組みましょう。

  • 音の変化を知る
  • 変化した英語を自分で発音できる

まず、音の変化を覚えるには、まず音の変化のパターンを知らなければいけません。

英語リスニング大特訓』は音の変化を詳しく知ることができます。

この本の第1章では音の連結や欠落についてかなり詳しく説明しています。単語の音がどのように変化するかを知ることで、英語のカタマリが聞こえるようになるし、英文のスピードが上がっても対応できます。

次に、音の変化パターンを知ったら、今度はその音の変化を自分の中に落とし込んでいきましょう。これは聞くだけでは不十分。やはり声に出して練習をして覚え込んでいく必要があります

音の変化を覚えるにはやはり音読が一番。

たそ

ネイティブの音声をマネして音読をすることで、自分で音の連結・欠落などの変化を発音できるようになります。発音ができるようになれば、当然聞き取れるようにもなりますよ。

合わせて読みたい
【英検・TOEIC対策にも】3ステップ正しい英語音読の方法

続きを見る

この記事では、正しい音読の手順やおすすめの音読教材も紹介しているので、音読練習の参考にしてください。

英語の音声に慣れる勉強法①精聴

精聴とは「精密に聴く」こと。英文を一語一語、その変化も含めてきっちりと聞いていく練習。

精聴をすることで、英語の音に敏感になって、集中力が高まり、細かな違い気づくことができるようになる。

例えば、日本人が苦手な"a"や"the"のような冠詞の聞き取り複数形の違いなど本当に細かいところの聞き取り能力が向上します。

その練習に最適なのがディクテーションとシャドーイング

ディクテーションはかなりの疲れる根気の必要な練習なので、短時間で集中して取り組めるものがよいです。ディクテーション最初の1冊は『ゼロからスタート英語を聞きとるトレーニングBOOK』がおすすめ。

1日10分程度の学習量なので継続しやすく、母音の聞き取りから始めるから、本当に基礎からディクテーションの練習ができます。


シャドーイングの練習には『TOEICリスニング満点コーチが教える 3ヶ月で英語耳を作るシャドーイング』をおすすめします。

3ヶ月分の英語教材と音声が付いているので、買ったその日から練習を始めることができます。シャドーイングのやり方やその練習の意味等がきちんと説明されていて、スモールステップでシャドーイングを実践できます。

英語の音声に慣れる勉強法②多聴

多聴は精聴と違って、英語の音声をたくさん聞いて音に慣れることが1番の目的です。発想としては、英文多読と同じで、「気軽に楽しんで」聞けるものが良いですね。

インターネットで調べると、CNN等の海外のニュースも視聴できるし教材はいくらでもありますが、やはり楽しんでたくさん聞くのであれば「海外ドラマ」をおすすめします。

海外ドラマは、教科書的ではっきり読まれるアメリカ英語だけでなく、イギリス英語などの多様な英語を、実際に使用される場面で聞くことができます。一般的なリスニング教材より難しいかもしれないけど、全部聞き取ろうとせずに、「聞けるところだけ聞く」という姿勢で大丈夫です。

海外ドラマの利用法については、別の記事でもまとめていますので、合わせてお読みください。

合わせて読みたい
【海外ドラマで英語学習!】留学なしで英語リスニング&スピーキング力を鍛える勉強方法

続きを見る

英語リスニング力をつけるにはバランスの良い勉強を!

英語リスニング力をつけるにはバランスの良い勉強を!
バランスよく勉強することが大事です

今回は英語のリスニングの勉強方法を紹介してきました。英語のリスニングの勉強のポイントは、バランスよくトータルの英語力を付けていくこと。

聞く練習だけでは効果的ではありません。基本となる語彙・文法、長文読解の力がなければ、いくら耳を鍛えて音が聞き取れても、情報が理解できません。

今回紹介した「4つのリスニングの状態」のうち自分がどれに当てはまるかを確認して、必要な学習をしていきましょう。

正しい勉強方法でリスニングはできるようになる!

たそ

「聞くこと」はコミュニケシーションの基本です。リスニング力を上げて、コミュニケーションで使える英語を身につけましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

-分野別勉強法
-, ,