
英語を一生懸命勉強してもリスニングが苦手・・・、一生懸命話しても通じない・・・。
英語を話したり・聞いたりする時に、英語のアクセントを知っておくことはとても大切だよ。

英語の勉強を頑張っていて、英語を読んだり、書いたりすることは多少自信があるけど、いざ話してみたら、英語が通じないことが多い、聞き返されることが多い。
そんな経験をしたことはありませんか?
私はありました!今でも、たまにあります!

通じる英語のための大切なポイントは色々あるけれど、アクセントを間違えると意外に通じません。
学校現場においては、英語のアクセントをあまり熱心に教えていません。単語の発音練習などで多少の指導をしますが、アクセントのルールなどをきっちりと教わることはあまりない。
この記事では、アクセントの基本から、学ぶメリット、アクセントのルールや役立つ教材について紹介します。
この記事でわかること
- アクセントを学ぶメリット
- アクセントのルール
- アクセントの勉強に役立つ参考書
アクセントをマスターして通じる英語を目指しましょう。
この記事を書いた人
現役英語教師(20年目)。高校3年時、1日14時間の独学で偏差値40台から80まで上げる。浪人を経験し、文学部英文科から英語教師の道へ。英検1級一発合格・TOEIC満点。教育困難校からトップ校で勤務。abcを書けない生徒から東大・京大を受験する生徒まで指導経験あり。
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英語のアクセントって何?

アクセント(=accent)は「強音」、つまり英単語を強く読む音節のことです。
音節の考え方は、けっこう複雑ですが、簡単に言えば、「母音( a i u e o )を1つ含むカタマリ」だと考えたら良いですね。
音節の例
「immigrant(移民)」という単語であれば、「im - mi - grant」 と3つの音節に分かれます。
この3つの音節の中で、最初の音節にアクセントがあるので「イミグラント」と「イ」を強く読みます。
英語は強く読んだり、弱く読んだりとリズムを大事にする言葉だよ。

よく勘違いする生徒もいますが、アクセントは母音に置かれます。
英語の母音は26個(!)ですが、そこまでこだわらずに、アイウエオと考えた方が良いですよ。
英語のアクセントが大切な理由

英語のアクセントがなぜ大切か。アクセントの位置によって全く違った単語に聞こえるからです。
日本語の場合、全ての母音をはっきりと発音します。
一方、英語の場合は、アクセントが置かれるところは、はっきり強く読まれるけど、アクセントがない母音は曖昧に弱く読まれます。
アクセントの位置を間違えてしまうと、違う単語に聞こえることがよく起こります。

そう言われると、アクセントが間違っていて、聞き返されるたり、言い直されたりすることがありました。
正しいアクセント知ることのメリットは・・・
- 相手に聞きやすい英語が話せる(通じる英語)
- ネイティブの英語が聞き取りやすくなる
- 大学入試などで役立つ
正しいアクセントで話すことで、相手に伝わりやすくなるのはすでに述べた通りです。さらに、正しいアクセントを知り、きちんと発音できれば、ネイティブが話す英語が聞こえるようになってきます。
また、大学入試などでもアクセント問題が出題されることがありますので、中学生や高校生はアクセントについて知っておいても損はありません。
覚えておくべき英語のアクセント4つのルール

英語のアクセントをマスターするには、まずは地道に単語を覚える際に発音やアクセントも一緒に覚えていくことです。
ただ、すべての単語を覚えることはできないので、アクセントの基本ルールを知っておけば、知らない単語でも対応できそうですね。
アクセントのルール
単語のつづり(スペル)によってアクセントの位置が分かるというルールです
それでは1つずつ確認していきましょう。

英語のアクセント基本ルール①「そこを強く読む」
英語のアクセント基本ルール①「そこを強く読む」はその部分にアクセントがある、というシンプルなもの。
eeとoo:-eeと-ooを強く読む!
career(キャリア), degree(程度), engineer(エンジニア), volunteer(ボランティア), guarantee(保障), pioneer(開拓者), taboo(タブー), bamboo(竹), kangaroo(カンガルー)など。
例外としてcoffeeは最初の「co」にアクセントがあります。
ere、ay、oy:-ere, -ay, -oyを強く読む!
interfere(妨害), severe(厳しい), delay(遅らせる), display(ディスプレイ), decay(減衰), employ(雇う), destroy(破壊する)など。
ology:-ologyの最初の「o」を強く読む!
biology(生物学), geology(地質学), psychology(心理学), sociology(社会学), technology(技術) など。
「-ology」は「〜論」、「〜学」、「〜科学」などを表す接尾辞ですね。
最初のルールは非常にシンプル。そのスペルの箇所を強く読めばオッケー!

英語のアクセント基本ルール②「1つ前を強く読む」
英語のアクセント基本ルール②「1つ前を強く読む」は、その部分の1つ前の音節にアクセントがあるというもの。ここから少しだけ複雑になります。
それぞれの型の代表的な単語を1つ覚えておくと応用が効きますよ。例では、太字部分が強く読む箇所になります。
-sion, -tion, -cian, -sian, -tian:「ション・シャン・ジャン」型
「ション・シャン・ジャン」のようなスペルで終わる単語では、その1つ前にアクセントがあります。
impression(印象), question(問題), magician(マジシャン), musician(ミュージシャン), Asian(アジア人), Christian(キリスト教徒)など。
-ic, -ics, -ical, -ically:「イク・イカル」などのIC型
「イク・イクス・イカル」のようなスペルで終わる単語も、1つ前にアクセントが置かれます。
athletics(運動), democratic(民主主義), specific(特定の), political(政治の), critical(批判的な) など。
例外は3つ覚えましょう。arithmetic(算数), lunatic(月の), politics(政治学)は、2つ前の音節が強く読まれます。
-ual, -cial, -tial:「アル・シャル」型
続いて「アル・シャル」型。これも1つ前の音節を強く読みます。
actual(実際), perpetual(永続的な), beneficial(有益な), initial(最初の), official(公式の)など。
-eous, -ious, -uous:「アス」型
「アス」と読む箇所の1つ前にアクセントが置かれています。
delicious(おいしい), ambitious(大志を抱いた), conspicuous(目立った), spontaneous(自発的な)など。
-itude, -itute:「イチュート」型
「チュート・チュード」の1つ前にアクセント。
altitude(高度), attitude(態度), constitute(構成する), magnitude(重大な), solitude(孤独)など。
-ience, -ient:「エンス・エント」型
「エンス・エント」は有名なのがconvenience(便利)ですね。これも1つ前にアクセントがあります。
conscience(良心), efficient(能率的な), deficient(不十分な), sufficient(十分な)など。
-raphy:「ラフィー」型
最後は「〇〇グラフィー」。これも1つ前にアクセントを置きます。
ちなみに接尾辞「-graphy」は、ある手法などを使って表現したり、あるテーマについて書かれたりしたものを表します。
geography(地理学), photography(写真術), biography(伝記)など。
英語のアクセント基本ルール③「2つ前を強くよめ」
英語のアクセント基本ルール③は、3音節以上の語の2つ前を強く読むパターンです。
「2つ前パターン」は例外も多いので、ここでは2つの型だけを紹介しておきますよ。
-ateと-able:「エイト」型と「エイブル」型
「〜エイト・〜エイブル」で終わる単語は、2つ前にアクセント。
ac-cu-rate(正確な), ap-prox-i-mate(およその), com-mu-ni-cate(意思疎通をする), hes-i-tate(ためらう), ul-ti-mate(最終の), ad-mi-rable(素晴らしい), pref-er-able(好ましい)など。
英語のアクセント基本ルール④ 品詞で変わる「名前動後」
英語のアクセント基本ルール④は名前動後。
名前動後
スペルが同じで、品詞が名詞の時は「前」、動詞の時は「後ろ」の音節にアクセントがある。
例えば、importは「輸入」という名詞と「輸入する」という動詞があります。英文の中での使われ方でアクセントが変わってきます。
他にも・・・
- desert (名:砂漠、動:見捨てる)
- project(名:計画、動:投影する)
- protest (名:抗議、動:抗議する)
- present(名:プレゼント、動:贈る)
- record(名:記録、動:記録する)...など。
もちろん、この「名前動後」にも例外があって、アクセントの位置が品詞によって変わらないものもあります。品詞が変わっても太字部分にアクセントが置かれます。
- control(名:制御、動:制御する)
- offer (名:申し出、動:申し出る
- report(名:報告、動:報告する)
- promise(名:約束、動:約束する)・・・など。
以上4つのルールを紹介しました。
コツコツ単語の発音を覚えると同時に、こうしたルールも知っておけば、正しいアクセントで英語を話せる。結果として、通じやすい英語に近づきますね。
英語のアクセント身に付けられる教材

英語のアクセントを身につけるには、コツコツと単語と一緒に覚えたり、基本ルールをマスターするのが鉄則ですが、手取り早くアクセントをマスターしたい時には、それ専用の教材を使うのが便利です。
英語のアクセント学ぶ本
アクセントが大学入試に必要な受験生はもちろん、アクセントの学習には、少し練習問題を解いていくとよく覚えられます。ここでは、アクセントを学べる本を2冊紹介します。
『大学入試 関正生の英語の発音・アクセント プラチナルール 』は、詳細な解説と問題演習を通して、発音・アクセントのルールを身につけるというもの。
音声もついているので、発音練習をすることで、効果は倍増しますよ。
『発音の教科書――日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの作り方がいちばんよくわかる』という長いタイトルの本ですが、著者である靜哲人先生は英語教員では聞き覚えのある人も多いはず。
英語の授業改善や英語の発音やリズム(アクセント)に関する本をたくさん出版されています。
この本では、発音の基礎から英語のイントネーションやリズムまでを丁寧に解説しています。
1単語1単語のアクセントというよりも、英語の流れの中でのリズムについて説明してくれています。
英語のアクセントを身につける練習教材

英語のアクセント身に付けるには、先ほど紹介したような問題演習をこなすのも大切です。もっと大切なのは、英語を声に出して読んだり、英語を話すこと。
英語を話すのはなかなか難しいですが、声に出して読む「音読」は簡単にできる発声練習。
毎日、少しずつでも音読をすることで、アクセントだけでなく、イントネーションや英語のリズム感も身につきます。
最強の音読教材を1つ紹介しておくよ。

最強の音読教材『JJ ENGLISH エクササイズ』1日20分音読すれば、アクセントなんかは楽々身につくし、さらに、話すこともできるというプログラム。4人のカリスマ講師の確かな教材ですよ!
最強の音読教材『JJ ENGLISH エクササイズ』については、別の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。
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【最強の英語音読教材か?】JJ Englishエクササイズを現役英語教師が検証!
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英語のアクセントを意識して通じる英語に

今回は、英語のアクセントの重要性と基本のルールを紹介しました。
英語の発音・アクセントという項目は、学校現場ではあまり時間を割いて教えてはいません。だから、英語を話しても、イマイチ通じない・・ということがよく起きます。
どうせ英語を勉強するのであれば通じる英語を使えるようになりたいですね。

正しいアクセントを少し学べば、通じる英語になるし、同時に聞き取りの能力もアップするよ!
アクセントちょっと意識するだけで、それらしい英語に聞こえるから不思議です。今からでも実践してみましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。