英語力を上げるためには「英文法」の理解が必要。
そう考えて文法問題集や参考書に取り組んでも、「そもそも解説や説明の意味がよく分からない」と悩んでいませんか?
この記事では、英語が超初心者のあなたのために、文法問題や参考書の解説を読み解くために必要な英文法のイロハを解説していきます。
この記事で分かること
- 冠詞の基本情報
- 2つの冠詞の使い分け
今回のテーマは「冠詞」ですよー!!
冠詞・・・?
"a"とか"the"とかですよね。あれ本当によく分からないんですけど・・・。
定冠詞の"the"、不定冠詞の" a / an "は日本語には無い英語独特のもので、その使い方はかなり分かりにくいですね。
私自身、英語教師をしているけど、冠詞の使い分けはよく悩むことがあり、その都度ネイティブに聞いたりもしています。冠詞をマスターするのは難しいかも知れないけど、冠詞の基本的な考え方は押さえておきたいですね。
冠詞の基本を2回に分けて押さえていきましょう。
第1回目のこの記事では、冠詞の基本から"aとthe"の使い分けについてざっくりと解説しています。
冠詞とは?
まずは「冠詞」って何??という基本的なことから確認しましょう。
はい!基本からお願いします!
下の例文のように、名詞の前に置く"a / an"や"the"が冠詞になります。
I have a pen. The pen is very expensive.
(私はペンを持っています。そのペンはとても高価だ。)
英語では、名詞の前に"a"や"the"のような冠詞を付けたり、あるいは付けなかったりして、その名詞に対して味付けをしていくようになります。
英語では名詞の前に、"a/an" や "the" のような冠詞を付けたり、外したりして、名詞に意味合いを付け加えます。
2つの冠詞の種類
それでは今回の主役の「冠詞」についての基本情報を確認しましょう。
冠詞には"a / an"と"the"の2種類あって名詞の前におきます。
"a/an"の基本の意味は「ある1つの・・・」くらいの意味で、"the"は「その・・・」というくらいの意味です。
どんな名詞の前に置くのかを下の表で確認しましょう。
数えられる名詞 | 数えられる名詞 | 数えられない名詞 | |
(単数名詞) | (複数名詞) | ー | |
a / an | ◯ a car | × | × |
the | ◯ the car | ◯ the cars | ◯the milk |
冠詞の "a /an"は「一つ」という感じなので、数えられる名詞の単数形にだけ使い、一方で "the" は、数えられる名詞(単数・複数)、数えられない名詞にも使われます。
また、冠詞は、this(この)やthat(あの)のような言葉や、my(私の)やher(彼女の)のような所有格とは一緒には使わないことに注意しましょう。
the my book
a this car
この間違いはあるあるなので、確認しておこう。
ここまでのまとめ
- 冠詞にはa/anとtheがある。
- a /anは「1つの・・・」くらいの意味で、数えられる名詞の単数形に付ける。
- theは「その・・・」くらいの意味で、数えられる名詞・数えられない名詞の両方に付ける。
- this/thatや所有格とは一緒に置かない。
冠詞の読み方の違い
"a" と "an"の違いって何ですか??
後ろの単語が母音で始まる単語のときには"an"を使うよ。
例) an idea, an apple, an hour など
母音から始まるというのは発音のことだから"hour [aʊr] "なども"an"を使いますね。
theも後ろの単語が母音から始まると発音が変わるからね。
the window
([ðə ˈwɪndoʊ]
windowは子音 [w]で始まるので、普通に「ザ」と読みます。
the interesting story
([ði ˈɪntrəstɪŋ ˈstɔri]
interestingは母音[ i ]から始まるので「ジ」と読みましょう。
なるほど!後ろが母音のときだったんですね。「ジエンド」って言いますもんね。
ここまでのまとめ
- 冠詞の後ろの単語によってaとanを使い分ける。theは読み方が変わる。
- 後ろの単語が母音(アイウエオ)から始まる場合、anを使い、theは「ジ」と読む。
- 後ろの単語が子音(アイウエオ以外)の場合は、aを使う。theは「ザ」と読む。
冠詞 ”a/an"と"the"の違いは?
"a"と"the"の違いというか、使い分けがイマイチ分からないです。
細かな使い方の違いはあるんだけど、基本は下のような考え方だよ。
話し手と聞き手にとって特定できないような名詞には"a/an"を付けます。一方で、話し手と聞き手の両方が特定できる名詞には"the"を置きます。
特定できない名詞に付ける"a/an"を不定冠詞。特定できる名詞に付ける"the"を定冠詞と呼びます。
aとthe
- 話し手と聞き手にとって特定できない名詞 → "a/an"「不定冠詞」
- 話し手と聞き手の両方が特定できる名詞 → "the"「定冠詞」
うーん、"a"と"the"の「特定できる・できない」っていうのがよく分からないんです。
日本語にない発想だから分かりにくいかも知れないね。では、特定・不特定のニュアンスについてもう少し掘り下げてみよう。
冠詞( aとthe)のニュアンスの違い
それでは2つの冠詞(aとthe)についてのニュアンスをもう少し確認していきましょう。
「特定できる・できない」という考え方について理解していこう。
特定できない名詞のニュアンス
不定冠詞の"a/an"が付く特定できない名詞のニュアンスは、聞いてる人が「どれのことか」と分からない、「初めて聞いた」という感じ。
下の図のように「ペンを持っている」と言っても、聞いてる人が「1本のペンは分かるけど、どのペンか分からない」ときですね。
ある名詞が初めて話題に上がるときはお互いに特定できないので"a/an"をつけることが多いね。
「a/an + 名詞」は、どれかは分からないけど1つあるという感じ。
例えば、a car だと、「どの車か分からないけど、一台の車ね」くらいのイメージを相手が持つような感じになると考えたらいいですね。
特定できる名詞のニュアンス
定冠詞の"the"が付く特定できる名詞のニュアンスは、聞いてる人が「あーそれね!」と分かる感じ。話し手は「ご存知のように・・・」という感じ。
下の図のように、「あ〜、そのペンのことを言ってるんだね」と聞き手と話し手がお互い同じようにイメージできるというときに使いますね。
「the +名詞」は「お互いがそれとはっきり分かる」感じ。
お互いが同じイメージが持てるものには”the"って感じなんですね。
名詞に"the"をつけるパターンは色々とあるのだけど、「特定できる」というのが重要なキーワードになっているからね。
それではもっと具体的に、"a"と"the"の使い方について、例文をみながら確認してみましょう。
冠詞の具体的な使い分け
ここからは例文を見ながら、"a / an "を使う場合と"the"を使う場合を確認してみましょう。
基本の考え方は、「特定か不特定」で判断するようにすれば十分です。
不定冠詞( a / an )の使い方
まずは、不定冠詞の使い方から確認していきます。
ここまでの内容をまとめると下のようになりますね。
不定冠詞( a / an )は数えられる名詞の単数形にくっつく。話し手と聞き手の両方が特定できないものというニュアンス。また、「ある一つの」という意味も持つ。
不定冠詞を使う場面は大きく次の2つ。
- 初めて話題に出てくる名詞
- (ある)一つの何かを言いたい時
それぞれの例文を確認しておきましょう。
初めて話題に出る名詞
初めて話題に出てくる名詞は、普通は相手が「それと特定できない」ものだから"a /an"をつけます。
I bought a camera yesterday.
((私は昨日カメラを買った。)
会話の最初に出てくる名詞なんかには、"a"を付けますよね。
どのカメラなのか、聞いてる方は特定できないからね。
ある一つの何かを言いたい
a / anは「ある一つの・・・」というニュアンス。
I want to buy a car.
(車買いたいなぁ。)
「どれってわけでもないんだけど一台の車」という感じです。
具体的なイメージがない一つの何かを言いたいときという感覚を持って欲しいですね。
定冠詞( the )の使い方
続いて、定冠詞です。これも少し情報をまとめてみましょう。
定冠詞(the)は特定を表して、数えられる名詞・数えられない名詞、単数形・複数形にも付きます。
定冠詞を使う場面は、次の3つを基本に知っておさえておこう。
- すでに話題にのぼっていて、相手がその名詞を知っている。
- その場の雰囲気的に相手がその名詞がどれか分かる。
- 1つしかないから初めから特定されている。
それでは1つずつ例文で確認してみましょう。
すでに話題にのぼっているもの
He gave me a book. The book was very interesting.
(彼が本をくれたけど、その本すごく面白かった。)
「彼が本をくれた」の中で最初に出てくる本は特定できないので"a book"としていますが、その次では「どの本か特定できている」ので、"the book"としていますね。
すでに話題にのぼっていて、どのことか分かっている場合には"the"を付ける。
その場の雰囲気で伝わるもの
Please close the door.
(ドアを閉めてください)
普通に考えたら「部屋の中に開いているドアがあって、そのドアのこと」と特定できますよね。
あらかじめ話題にのぼっていなくても、自分と相手が特定できるようなものならば、”the”を使います。
1つしかないもの
The sun rises in the east.
(太陽は東からのぼる。)
この例文で出てくる"sun"も"east"も1つしかないものだから、「すでに特定されているもの」と考えて"the"を付けましょう。
世界(the world)とか宇宙(the universe)のように1つと考えられるものにはtheを付けるのが普通だね。
まとめ ケースバイケースも必要
今回は、冠詞の使い方だの第1回目として"a"と"the"のニュアンスの違いを中心に説明してきました。
まとめ
不定冠詞(a / an):「具体的には分からないけど1つの・・・」くらいのイメージ。
定冠詞( the ):「あ〜そのことね」と具体的にお互いが分かるというイメージ。
以上のような基本感覚を持っておけば、ほとんどの使い分けが理解できると思います。
ただし、冠詞の使い方は慣用的なものがあったりして、日本人には理解しにくいものもありますので、ケースバイケースでこういうときには、この冠詞を使うんだと覚えていくのが良いと思います。
言葉なのですべて理屈が当てはまるわけではないから、基本ルールを押さえつつ、例外をつぶしていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、冠詞の第2回目として、冠詞がつかない場合についてまとめていきます。