こんにちは、たそです!
今回は英文法参考書の双璧である『Evergreen』と『FACTBOOK』を紹介します!
英文法参考書といえば、桐原書店さんの『総合英語 Forest』がど定番ですが、2017年に販売を終了しています。1999年から2017年まで、7版を重ねてきたベストセラーなだけに残念ですね。
2020年現在で、英文参考書の代表格といえば、『総合英語Forest』の後継とされる「いいずな書店」の『総合英語 Evergrenn』。そして『Forest』を出版していた桐原書店の新しい参考書である『総合英語FACTBOOK』。
『Forest』の後継『総合英語Evergreen』、桐原書店の『総合英語FACTBOOK』使うとしたらどっちが良いのかを、比較検討していきましょう。
英文法参考書選びのヒントになれば幸いです!
動画でも解説をしています。併せてご覧ください。
注意
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結論 Evergreenは一からの勉強に、FACTBOOKは学び直しに向いている
まずは結論から。
『Evergreen』も『FACTBOOK』のどちらもよくできた参考書で、優劣がつけがたいですが、向き不向きがあると感じました。
2つの違いは?
- Evergreen:一から英語をじっくりと勉強したい人向け
- FACTBOOK:英文法をもう一度学び直したいと考える人向け
ざっくりですが上のような感じになります。もう少し詳しく説明してみましょう。
Evergreenに向いている人は?
- 英文法の基礎から順を追ってすべての項目を詳細に勉強したい。
- 主に大学入試や資格試験などのために英語を勉強したい。
続いてFACTBOOKです。
Factbookに向いている人は?
- 大学生・社会人である程度英語は勉強したがもう一度英語を学び直したい。
- 資格試験や入試というよりも、英語の運用力をあげたい(使えるようになりたい)。
どちらも使える英文法参考書ですが、学習目的に合った方を使ったほうが効率も良いし、モチベーションも上がります。
それでは、それぞれの参考書の特徴を見ていきましょう!
英文法参考書『総合英語 Evergreen』
まずは『総合英語 Evergreen』ですが、知っている人ならパッと見て、「Forestじゃん!!」と思っちゃいますね。
繰り返しますが、『総合英語Forest』は、1999年から2017年まで7版を重ねて出版された売れに売れた英文法参考書です。
残念ながら2017年で販売を終了しましたが、その後継として出版社を変えて出版されたのが『総合英語 Evergreen』ということになります。
大人の事情で出版社が「桐原書店」から「いいずな書店」に変わったけど、内容は確かなものです。
Evergreenのサブタイトルに『Keep the Forest Evergreen』とあるのも、なんとなくForestへのリスペクトを感じますよね。
それでは、『総合英語Evergreen』の使い勝手の良いところと少し残念なところをチェックしていきましょう。
『総合英語 Evergreen』の使い勝手の良いところ
まず『総合英語 Evergreen』のここは良いな!というところを見ていきましょう。
Evergreenの良い点
- ほぼすべての文法項目を網羅してあり、説明が丁寧で詳しい。
- 基礎から応用へと順を追って学べる。
- 各文法項目の解説動画が無料で視聴できる。
- 完全準拠の問題集(『文法の基礎力を身につけるトレーニング 』)がある。
使い勝手の良さはたくさんありますが、大きく上の4つが特にイイ!と感じたところです。それでは1つずつ説明していきます。
文法項目の網羅性と詳細な説明
まずは、英文法参考書としては、当たり前かもしれないけど、ほぼすべての文法項目を押さえてあって、これ一冊あればわからないことはない、という点。
ここは、文法参考書として外せないところ。
全部で24章の構成されていて、これ一冊あれば大丈夫という安心感はあります。
1 文の種類 | 7 不定詞 | 13 疑問詞と疑問文 | 19 冠詞 |
2 動詞と文型 | 8 動名詞 | 14 否定 | 20 代名詞 |
3 動詞と時制 | 9 分詞 | 15 話法 | 21 形容詞 |
4 完了形 | 10 比較 | 16 名詞構文・無生物主語 | 22 副詞 |
5 助動詞 | 11 関係詞 | 17 強調・倒置・挿入・省略・同格 | 23 前置詞 |
6 態 | 12 仮定法 | 18 名詞 | 24 接続詞 |
24章の項目をチラッとみるだけでも、文法項目にほぼモレはないでしょうね。
今どき(というと失礼だけど)「話法」をきっちりと説明している参考書も少ないです。
説明も丁寧で細かい。説明を読んでいて、疑問に感じるようなことも無いし、オーソドックスで安心して読めるし、理解しやすいものです。
基礎から応用へ順を追って学べる
各章ごとの構成は基礎から応用へとステップアップするようになっていて、理解しやすい構成です。
学習の流れ
- Part1 これが基本(考え方の理解)
- Part2 理解する(基本文法の確認)
- Part3 深く知る(応用文法の確認)
- Part4 確認する(章のまとめ)
Part1で文法項目の考え方をざっくりと知り、Part2で基本の型を、そしてPart3で応用へと進んでいきます。多少、英文法が苦手な人でも、順を追って少しずつ学習できますね。
Part2や3の途中にある「Check問題」も理解の確認に最適!
無料の解説動画
解説動画を視聴できることも忘れてはいけない魅力ですね。
著者の墺タカユキ先生が『総合英語Evergreen』の第1~12章を解説する動画です。動画では,各文法項目の基本的な内容を扱うPart 1を中心に解説します。
いいずな書店公式サイトより
特に解説が必要な前半の文法項目を解説してくれています。
文字の説明だけで理解しにくい場合でも、動画があれば理解の助けになりますね。かゆいところに手が届く配慮に好感が持てますね。
完全準拠の問題集
Evergreenに完全準拠した問題集『文法の基礎力を身につけるトレーニング』はEvergreenを使い込む際に、とても便利で役立ちます。
参考書を読み込むのと同じように、問題演習をがっつりすることは定着に必要!
この『文法の基礎力を身につけるトレーニング』はEvergreenに完全準拠だから、問題を解いて、分からないところやあいまいなところは、Evergreenに戻って確認するのが簡単にできる。
理解と演習を繰り返すことで、定着につながります。
『総合英語 Evergreen』の少し残念なところ
さて、イイところばかり紹介してきましたが、最後に少し残念なところを(といってもそんなにありませんが)いくつか紹介します。
残念なところ
- 説明が長くて硬い
- レイアウトが少し見にくい
まず、説明が長くて硬苦しいという点。
これは詳しい説明と表裏一体ですから、欠点というほどでは無いかもしれない。しかし、長い文章を読むのが苦手な人には少ししんどいかもしれませんね。
けど、頑張って読んでいけば、きっちりと理解できる!
少し長ったらしい・・・と感じるかもしれないけど、何度も読み返して理解して欲しいところですね。
次に、少しレイアウトが見にくい。
かなりの量の情報を網羅しているため、1ページの中に内容をがっつりと詰め込んでいる感じです。ですから、イラストや図もそんなに多く無いし、行間も結構つまっている。
どうしても印象として、字が多くて読みにくい・・・とい感じる人も多いのかもしれないですね。
ただ、この2つの欠点も、詳しい説明と文法の網羅性という点から考えると仕方ない。
英文法の詳しい説明と豊富な例文、抜け漏れのなく網羅してあるということを考えると、『総合英語Evergreen』は鉄板の文法参考書ということになります。
マジでおすすめ。
それでは次に桐原書店の新しい顔『総合英語FACTBOOK』について紹介していきますよ!
英文法参考書『総合英語FACTOBOOK』
『総合英語Forest』を出版していた桐原書店が新たに出したのが、英文法参考書『総合英語FACTOBOOK』です。
正直言って、大きくシフトを変えてきたなーという印象でした!
そもそも、桐原書店といえば「英語の桐原」と言われるくらい、特に受験英語の参考書や問題集に定評のある会社。
例えば、どんな参考書を出版してきたかというと・・・
- 大学入試英語頻出問題総演習 (いわゆる即戦ゼミ)
- Next Stage英文法・語法問題(いわゆるネクステ)
- 総合英語Forest
こういった数々の受験英語の優れた問題集等を出してきたわけですが、このFACTBOOKからは伝統的英語参考書から傾向が少し変わりました。
まず、著者を見てピンと来る人もいるかもしれません。
「大西泰人、ポール・マクベイ」のコンビと言えば『一億人の英文法』ですね。
副題にもあるように「話すための」英文法を目指しているこの参考書。
簡単に言えば、『総合英語FACTBOOK』は『一億人の英文法』の高校生向けバージョンだと考えても良いですね。
それでは『総合英語FACTBOOK』の特徴をチェックしていきましょう。
『総合英語FACTBOOK』のここが新しい
『総合英語FACTBOOK』は、ForstやEvergreenのようなこれまでのオーソドックスな文法参考書とは少し視点が異なります。
良い悪いではなくて「話すため」というところで少し違う感じがするのでしょうね。
それでは『総合英語FACTBOOK』のイイ!ところ確認しましょう。
FACTBOOKの特徴
- イラスト等のイメージでの理解を重視
- イラストや図が多く説明がシンプルで読みやすい
最近の新しい英文法参考書の特徴かもしれませんが、分かりやすさ・読みやすさという点が特徴ですね。
それでは1つずつ確認していきますね。
イメージでの理解を重視
FACTBOOKが重視しているポイントは英語のイメージを理解すること。
豊富なイラストと図解が、日本語訳だけではたどり着けない英語の”イメージ”を理解する強力なツールになっています。
裏表紙「本書の特徴」より
従来の英文法参考書では、詳細な日本語の説明で、英文法を理解するようになっていますが、イラストによって英文法のイメージを持たせるようになっていますね。
例えば、最初の基本文型、いわゆる5文型の説明でも、言葉での説明よりも、まずイラストでイメージを持たせ、そのあとで説明をいれるという順番になっています。
また、アイコン等で単語や文法項目が持つニュアンスをイメージしやすいのもいいですね。
イメージアイコンを見ることで、「あ!そういうことか!」という新たな気づきが持てるよ。
一通り英文法の勉強をした人が、この本を読むと、理屈とイメージの両方ともの理解が深まって、英文法の無双状態になりそうですね。
イラストが多く説明がシンプル
イメージでの理解を大切にしているので、当然、イラストや図が多く日本語の説明はシンプルになります。
例えば、「受動態」の説明を見てみると・・・
ページの中に結構余白もあるし、イラストや図のようなものもあるので、パッと見の分かりやすさ、理解の助けになるのは間違い無いですね。
比較のために、『Evergreen』の同じ項目も見てみましょう。
結構、キツキツで説明が詰まっていますね。
比べてみると、やはりFACTBOOKの方がイラストや図が多く、説明がシンプルで簡潔な印象を受けますね。
長ったらしい説明が苦手で、英文法アレルギーを持っているような人には取り組みやすいと言えます。
この『総合英語FACTBOOK』は、「文法問題を解くため、入試のために、英文法を勉強する」というよりも、英語を使うための英文法を学ぶのだという感じでしょうか。
では、最後に『総合英語FACTBOOK』の少し不安なところを紹介しておきます。
『総合英語FACTBOOK』の少し不安ところ
最後に、『総合英語FACTBOOK』の少し不安(?)なところを話しましょう。
決して悪い点では、ありませんよ!
FACTBOOKの不安点
- 一から学ぶには説明が不足している気がする。
- 受験英語などの文法問題の勉強には向いていない気がする。
あくまで、伝統的な英語教育を受けてきた私の個人的な印象でしかありませんので「気がする」としています。
『総合英語 FACTBOOK』の特徴でもあるシンプルな説明。
ポイントはきちんと押さえていますが、昔ながらの英語教育を受けてきた人間にとって「この説明で理解できるのかな?説明が不足していないかな?」と思う部分もあります。
ただ、こと細かに全部を学ぶよりも、基本イメージを大切にするというFACTBOOKのコンセプトには合っているのかもしれません。
とは言え、英文法の基本を理解するには十分なものかな。
また、このFACTBOOKは受験英語の勉強にちょっと向いていないかもしれません。
これはFACTBOOKのせいとは思わない。
ほとんどの大学受験の問題集の解説は、ForestやEvergreenのような従来の参考書に書かれている英文法の考えた方に基づいて作られている。
だから受験問題集なんかを解いて、解説を読んだ時に出てくる文法の考え方はEvergreenのような伝統的な参考書で勉強していた方が理解しやすいですね。
もちろん、FACTBOOKでも受験に必要な情報は載っているけど、受験向けの英文法の解説というより、英語の運用能力の育成に重点があるような気がします。
まとめ 両者とも優れた参考書 目的に応じて利用しよう
今回は『総合英語 Evergreen』と『総合英語FACTBOOK』の2つの英文法参考書を紹介しました。
おそらく現在の、そして今後の英文法学習において強力なツールとなるこの2冊。
どちらも優れた英文法参考書、どっちを選んでも間違いはない!
ただし、向き・不向きがあるので、自分の学習目的に合う方を利用しましょう。
使い分け
- Evergreen:英文法をはじめから全部学びたい高校生。受験生向け。
- FACTBOOK:学び直しをしたい社会人や大学生。使える英語を学びたい人向け。
この記事で紹介したのは、下の2冊。どちらも良書です。
もっとも、大事なことは良いものを買ってちゃんと取り組むかどうか。
どちらも良い参考書なので、信用して取り組めば英語力アップ間違いないですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。