英語力を上げるためには「英文法」の理解が必要。
そう考えて文法問題集や参考書に取り組んでも、「そもそも解説や説明の意味がよく分からない」と悩んでいませんか?
この記事では、英語が超初心者のあなたのために、文法問題や参考書の解説を読み解くために必要な英文法のイロハを解説していきます。
今日のテーマは「動詞」です!


「動詞」ですか?あ!自動詞や他動詞とかってごちゃごちゃしてますよね。
前回の「文型」の話でも少し触れたけど、「自動詞」や「他動詞」の区別など、動詞にはいろいろと種類があるからね。

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【超基礎からの英文法】5文型を理解しよう!|4時間目
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動詞は動作や状態を表すものです。
「走る」、「歌う」、「書く」など、日本語で考えてもイメージしやすいですが、英文法においてはもう少し掘り下げて理解しておく必要があります。
この記事では、動詞の種類について解説をしていきます。
この記事で分かること
- 3つの動詞の種類
- be動詞と一般動詞
- 動作動詞と状態動詞
- 自動詞と他動詞
文法用語をきちんと理解して、問題集や参考書を活用できる基礎力を付けていきましょう。
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3つの動詞の種類

まず最初に、動詞について確認をしましょう。
動詞は状態や動作をあらわす言葉。

これは分かります!「〜する」とか「〜である」って日本語になるやつですよね。
ただし、動詞は働きや意味や形によって、種類が細かく別れていきます。
動詞の種類
- 形:be動詞と一般動詞
- 働き:自動詞と他動詞
- 意味:動作動詞と状態動詞
今回のメインテーマは、これら3つの動詞の種類を理解することになります。
それでは、まずは形から確認していきましょう。
be 動詞と一般動詞
動詞は形の違いで2種類に分類されます。
am, is, areなどのbe動詞とbe動詞以外の一般動詞です。
一般動詞とは「be動詞ではない」動詞のこと。
be動詞と一般動詞は、動詞の活用や疑問文・否定文の作り方のルールが違います(この違いについては詳しくは述べません)。
be動詞は①イコールと②存在(〜にいる)の2つの意味しかないですが、一般動詞はいろいろな意味を持ちますね。
be動詞の2つの意味について詳しく見てみましょう。
まず①の意味(イコール)を例文で確認してみます。
①You are beautiful.(あなた=美しい)

You =(イコール)beautifulってことですね。
続いて②の存在の例です。
②You are in the library.(あなたは図書館にいます)
ここでのareはイコールではなくて「存在」だね。

ちなみに、この①はSVCの第2文型、②はSVの第1文型になります。
be動詞がイコールの意味で使われる時にはSVCの第2文型、存在の意味で使われると第1文型。
「イコール」のbe動詞は第2文型、「存在」のbe動詞は第1文型。
まず、1つ目の区別としてbe動詞と一般動詞の違いを確認しました。
続いて、2つ目の自動詞と他動詞にいきましょう。
自動詞と他動詞
続いて、動詞の働きの区別にいきましょう。
- 自動詞:目的語を必要としない。
- 他動詞:動詞の対象となる目的語を必要とする。
前回の文型の中でも少し紹介したけど、「後ろに何が来るか?」で種類が変わるよ。

2つの自動詞
目的語を必要としない自動詞にも2つ種類があります。
- 完全自動詞
- 不完全自動詞
①完全自動詞:第1文型を作る
I walk to school everyday.(私は毎日学校へ歩いて行く)
このwalkは完全自動詞と呼ばれるもの。Vの後ろには修飾語句(M)しか来ません。
be動詞の「存在」もこの完全自動詞になりますね。
I am in the library.(私は図書館にいます)
代表的な完全自動詞
begin(始まる),start(始まる),speak(話す),run(走る),work(働き),walk(歩き)
②不完全自動詞:第2文型を作る
You look beautiful in that dress.(そのドレス着ると、すごい綺麗に見えるよ)
このlook(〜に見える)は後ろに補語(C)が必要です。また、be動詞の「イコール」も不完全自動詞になって、後ろの補語が必要です。
You are beautiful.(あなたは美しい)
目的語を必要としないものが自動詞。その中で補語を取るものを不完全自動詞と呼ぶわけですね。

代表的な不完全自動詞
- 〜のままである系:remain, keep, stay
- 〜になる系:become, get, grow, turn
- 〜のようだ系:look, seem, appear
- 〜の感じがする系:feel, smell, taste, sound
3つの他動詞
後ろに目的語を必要とする他動詞も3つの種類に分かれます。
- 完全他動詞
- 完全他動詞(授与動詞)
- 不完全他動詞
①完全他動詞:第3文型を作る
I like coffee.(私はコーヒーが好き)
like(好き)というと「何が好きなのか?」と、「何が」が必要ですね。これが目的語になります。
このように、後ろに目的語が必要な動詞を他動詞、完全他動詞と呼びます。

一番オーソドックスな感じですね。これは簡単です!
代表的な完全他動詞
have(持っている)、use(使う)、like(好き)、visit(訪れる)など
②完全他動詞(授与動詞):第4文型を作る
She gave me a present.(彼女は私にプレゼントをくれた)
後ろに目的語が来る他動詞の中でも、「(人)に(物)を〜する」という意味で、人・物と目的語が2つ来るものも完全他動詞になります。授与動詞と呼ばれることもあります。
この2つの目的語の「(人)に」の方を間接目的語、「(物)を」の方を直接目的語と呼びます。
代表的な完全他動詞(授与動詞)
give(与える), buy(買う), lend(貸す), choose(選ぶ), show(見せる), send(送る), tell(伝える)など
③不完全他動詞:第5文型を作る
Her songs make us happy.(彼女の歌は私たちを幸せにする)
動詞makeの後ろに、まずusという目的語が来ていますが、その後happyという補語が続きます。
このように、「動詞+目的語」だけでなく、さらに補語が必要なものを不完全他動詞を呼びます。
代表的な不完全他動詞
- OをCにする:make, keep, leave, paint
- OをCと呼ぶ:call, name, elect
- OをCと思う:find, think

前回の文型の時に勉強したので、なんとなくは理解できます。
この自動詞と他動詞は文型と密接な関係があるからね。

自動詞と他動詞は流動的
ここまで、自動詞と他動詞の違いについて解説してきましたが、1つの動詞が自動詞と他動詞の両方の働きを持つことを忘れてはいけません。
いくつか例を確認しておきましょう。
getのバリエーション
- 「〜になる」のget(SVC):I got angry at this.(私はこれに腹が立った)
- 「〜をとる」のget(SVO):I got a plate.(私は皿をとった)
- 「〜をあげる」のget(SVOO):I got him a ticket.(私は彼にチケットを取ってあげた)
- 「〜にする」のget(SVOC):I got my hair cut.(私は髪を切ってもらった)

get1つで自動詞にも他動詞にもなるんですね。
ほとんどの動詞が自動詞・他動詞の両方の働きを持つから、単語を覚える時にはちゃんと例文で使い方を確認しておくといいね。

1つの動詞が自動詞・他動詞の両方の働きを持つことがある
動作動詞と状態動詞
最後に、動作動詞と状態動詞の違いを解説します。
- 動作動詞:「〜する」と動作を表す。
- 状態動詞:「〜している、〜である」と状態を表す。

動作なら動作動詞、状態なら状態動詞ですね。分かりますけど、この区別を知っていて何かプラスがありますか??
もちろん!進行形というテーマを勉強する上では欠かせない知識だよ。

時制の1つのテーマである「進行形」。
現在進行形、過去進行形、未来進行形、などがあります。
現在進行形
動作が進行している表現。
「be動詞+動詞の〜ing形」で使います。
- (現在形)I speak English.(私は英語を話す)
- (進行形)I am speaking English.(私は今、英語を話している)
「今〜している」という感じが現在進行形ですね。
この現在進行形や過去進行形などで、動詞の〜ing形を使いますが、大事なポイントが1点あります。
状態動詞は進行形にしない。
例えば、have(持っている)のような状態動詞は進行形にはしません。
「私はペンを持っています。」であれば・・・
I have a pen.
I'm having a pen.
逆に、study(勉強する)のような1回ずつ動作が完了するような動作動詞は進行形にします。
I 'm studying English.(私は今勉強をしている)

なるほどー!動作動詞と状態動詞を知らないと、正しく進行形が使えないですね!
それでは代表的な状態動詞を確認しておこうね。

代表的な状態動詞
- 状態を表すもの:be, have, belong to, resemble, seem, lookなど
- 心理状態を表すもの:like, love, think, believe, know, remember, wantなど
- 感覚を表すもの:see, hear, feel, smell, tasteなど
ただし、「状態動詞は進行形にしない」にも例外があります。
- 意識的な行為
- 一時的な状態
① I am thinking of going to Hawaii.(意識的に考えている)
② She is living in Tokyo now. (一時的に住んでいる)
こうした場合には状態動詞であっても進行形にすることがありますね。
状態動詞でも、一時的な状態や意識的な動作であれば進行形になる
まとめ 動詞は超大切。要チェックです!

今回は、動詞の種類について解説をしました。
動詞の種類、自動詞・他動詞や動作動詞・状態動詞の区別は超大切なんだけど、学校ではあんまり時間をかけて説明されない。
しかし、問題集を解いていると、これら動詞の種類については「知っていて当然」のように解説に登場してきます。
「自動詞とは何か、状態動詞とは何か」を知れば、今後の英語学習にきっと役立ちますね。
今回解説した動詞の種類をきっちりと押さえて、英語の勉強を充実させてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。