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【なぜ楽器にtheをつけるの?】中学生の娘の素朴な疑問に答えてみた(その3)

2021年6月5日

中学生の娘

どうして楽器の前には"the"をつけるの?

この記事について

この記事は、中学1年生の娘が抱いた英語に関する素朴な疑問に対して答えていきます。英語教師の父としてのプライドを保つことができるでしょうか・・・。

楽器の前には定冠詞”the"を置く。

もちろん、いつも"the"を置くのではなく演奏する場合ですよね。

  • ピアノを弾く:I play the piano.
  • ピアノを買う:I buy a piano.

「楽器を演奏する」は"play the + 楽器"で覚えている人も多いでしょう。私もその一人。

なんで??と言われても、そういうもんだ、としか・・・。中学生は恐ろしいですね。高校教員で良かった。

とはいえ、父としての威厳を守るため、この疑問についてちょろっと調べてみました。

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the が持つ意味合い

theはどんな時に付けるのか

そもそも定冠詞と呼ばれる "the" ってどんな意味合いを持っているのかを確認しましょう。

中学生にも分かるような簡潔な説明がないかなと、手元の参考書をパラパラとしていると、良い説明がありました。

(前略)the は話し手・聞き手の両者が特定できる名詞につける、(後略)

ラーナーズ高校英語(数研出版)

話している人にも、聞いている人にも、「あー、あれね、はいはい・・」と具体的にイメージができるもの、特定できるものにtheを付けるということですね。

楽器を演奏するにtheを付ける理由

楽器を演奏するにtheを付ける理由
楽器にtheを置く理由

楽器を演奏する」というときに、楽器の前に the を付ける理由も「聞き手と話し手が具体的にイメージできるから」ということなんでしょうね。

おそらく、"I play the guitar"と言ったとき、そのギターっていうのは「私が弾いている例のあのギター」という感じなんでしょう。

私は昔からギターを弾いてるんですけど、例えば、「エリック・クラプトンがギターを弾く」と言う場合には、例のあの黒いフェンダーストラト"blacky"をイメージします。

そう考えると納得です。

(画像)https://shop.fender.comより転載
クラプトンといえば、これ。

しかし、聞き手が私が持っているギターを知らない場合はどうなるのかな?

おそらく、2つ考え方があるようです。

  1. 一般的な楽器のイメージはみんな同じだから
  2. 「演奏者」というイメージが楽器を修飾するから

【1】1つ目は、「具体的にこのギター!」と分からなくても、一般的に言って、ギター、ピアノ、バイオリンといった楽器って、ものによって形とかそんなに違いはないからみんな大体同じイメージを持つからという考え方。

【2】2つ目は、「弾いている人」によって「楽器」が特定されると言う考え方。

私の使っているギターを知らない人でも、"I play the guitar."というと、「私」が弾いているギターという感じになるのかな。

  • a guitar : ただのギター
  • I play the guitar:「私が演奏する」ギター

演奏する場合には、ギターに演奏する人が加わっているから「the」がついて特定される。

けど、I have a gutar.(私はギターを持っている)とか、I bought a guitar.(私はギターを買った)と言う場合には、楽器にだけ焦点が当てられていて、演奏者と言う感覚がないから the が付かないのでしょうね。

さて、個人的には、この2つの考え方のうち、後者の方がしっくりくる気がします。

「一般的に楽器の形は大体同じだから the を付ける」だと、「楽器を買う」の時でも the を付けるような気がします。

実際、ネイティブにここらを確認しても、「うーん・・・」と言う感じでした。

ネイティブにとっては、それこそ「楽器を弾く時にはtheを付けるもんだから、theを付ける」と言うことですね。

まとめと参考にした文献

今回は、娘の素朴な疑問「楽器の前にtheを置くのはなぜ?」について考えてみました。

結論としては、「具体的にそれ!って言うのは分からないけど、楽器を演奏する人が持っているあの楽器」と言うイメージを、自分も相手も持つから the を付けるのかな?と言うことですね。

娘に説明した内容は以下の通りです。

  • theの働きは「特定化」お互いが「これだ!」とイメージできるモノに付ける。
  • 「楽器を演奏する」ときには、「あの人が弾いているあの楽器」と特定されるからtheを付ける。

一応、この説明で娘は納得してくれました。

お互い勉強になって大変良かったですね。さて、次は何を聞かれるだろうか。

最後までお読み頂きありがとうございました。

(今回参考にした文献)

英語の素朴な疑問に答える36章』(研究者)

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