どうしてknowやknifeの"K"は発音しないの?
ポイント
この記事は、中学1年生の娘が抱いた英語に関する素朴な疑問に対して答えていきます。英語教師の父としてのプライドを保つことができるでしょうか・・・。
"know"(知っている)は中学校で習う基本の単語。
さて、knowを「クノウ」と発音する人はいませんよね?ほとんどの人は「ノウ」(noʊ)とちゃんと読めますね。
最初の「k」は発音しません。
どうして??と聞かれても、「そういうもんだ」というのが本音ですが、子供の好奇心を潰すわけにはいきませんね。
今回は、英語の「k」を発音しない理由について考えてみました。
発音しないkを含む単語
ちなみに、この「k」のように「発音しない文字」を「黙字」と呼びます。
さて、発音しないkを含む単語をいくつか見てみましょう。
読み方 | 意味 | |
---|---|---|
know | ノウ | 知っている |
knife | ナイフ | ナイフ |
knee | ニー | ひざ |
knit | ニット | ニット、編み物をする |
knapsack | ナップサック | リュックサック |
こうしてみると、単語の頭のknを発音しないという傾向がありますね。
近くに転がっていた辞書でkn-を引いてみるとびっくり、ほとんどのkn-から始まる単語は「k」を読まない。
では、本題である「 kn-」の「k」 をなぜ読まないのか、を説明していきます。
kを発音しないのは言いにくいから
「K」を発音しない理由は極めて合理的な理由からです。
英語の歴史を紐解くと、Kの音は元々は発音されていたらしい。だから"know"もちゃんと「クノウ」と発音をしていたようですね。
しかし、1700年前後に、Kn-の発音の「k」の音が擦れて、弱くなり、さらには欠落するようになりました。
この理由は、「クノウ」と実際に発音してみたら分かるけど、[k]と[n]の発音の繋がりって意外に言い難い。
ということで、kn-の単語の[k]が発音されなくなったのですけど、knowやknightなんかのスペル自体は広く浸透していたので、Kのスペルはそのままで、発音だけ消えていったということになります。
日本語でも同じようなことが起きていますよね。
「こんにちは」
→「こんちわ!」
→「ちわっ!」
日本語の「こんにちは」が言いやすさのために短く「こんちわ!」や「ちわっ!」に変化しています。さらにいうと、この例の場合は「こんにちは」の「は」が「わ」に変わったりするんですね。
結局、knowなどの「k」が発音されないのは、当時の人々にとって言い難いからです。
英語の黙字は基本的にはこれと同じ理由で生まれたのかなと考えます。
他にも、climb(登る), thumb(親指)などにみられる「-mb」で終わる単語の[b]は発音しませんよね。
- climb:クライム
- thumb:サム
これもknowと同じ理由で、[-mb]が「クライムブ」、「サムブ」とか言い難いからでしょうね。
まとめ 言葉は変わるものですね
今回は「knowのkはなぜ発音しないのか」という娘の素朴な疑問に答えてみました。
「クノウ」って「ノウ」より言い難いから、「ク」を読まなくなったんだよ。
極めてシンプルな説明でしたが、今回も納得してもらいました。
日本語もそうだけど、やっぱり言葉って色々と変化するんだなぁと改めて感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました。