どうも、たそです!
今回は、今年からスタートした大学入学共通テストの英語(筆記)を分析して、傾向と対策を考えてみましたよ!
2021年から実施された大学入学共通テスト。
英語に関してはこれまでの、共通一次試験やセンター試験と大きく変わりましたね。
早速、分析をして、傾向と対策を考えてみました。
来年以降に受験を控える高校1.2年生の参考にしてもらいたいと思います。
大学入学共通テスト英語(筆記)を高校教師が分析
まずは、分析からスタートです。
とりあえず解かないと始まらないので、早速解いてみた結果。
解答時間53分、得点100点(満点)。
ちょっと安心・・・。
というか、センター試験より簡単になってないか!?
私の感想から書くと、ネット上の評判とは異なり、これまでのセンター試験より簡単になった気がしました。
その理由は、英文(長文)読解問題で、英語が読めさえすれば、解答できる問題ばかりだからでしょうね。
具体的に問題を分析してみましょう。
大問 | 内容 | 語数 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1問A | スマホのメッセージのやり取り | 約160語 | 2題 |
第1問B | ロックバンドのファンクラブのウェブサイト | 約220語 | 3題 |
第2問A | バンドの審査員のコメント等の2つの英文資料と評価シート *複数資料 | 約160語 | 5題 |
第2問B | 学校のルール改正に関する2通のメール *複数資料 | 約200語 | 5題 |
第3問A | ホテルの口コミサイトとアクセス図 *複数資料 | 約160語 | 2題 |
第3問B | ボランティア募集の学校新聞 | 約280語 | 3題 |
第4問 | 姉妹校の生徒を歓迎する準備に関する2通のメール、時刻表、グラフ *複数資料 | 約500語 | 5題 |
第5問 | (授業の活動としてプレゼン作り) 雄牛に関するプレゼンに関する英文とパワポ資料 *複数資料 | 約700語 | 5題 |
第6問A | (授業の活動としてポスター作り) アイスホッケーの安全性に関する英文とポスター資料 *複数資料 | 約700語 | 4題 |
第6問B | (授業の活動)甘味料に関する英文 | 約650語 | 4題 |
大問ごとに、内容、語数、問題数をまとめてみました。
語数は実際に1語ずつ数えているわけではなく、1行に含まれる単語数✖️行数で計算しているので大体の語数です。
今回から指示文(リード文)もすべて英語になりましたので、それも含んでいます。
ざっくり計算しても3000語を超える英語を読むから、長文読解が苦手な受験生には厳しいかもしれませんね。
逆に言えば、小難しい文法や語法、発音・アクセントがないので楽。
さて、大まかな英文の内容を見てみると、共通テストが目指す傾向が見えてきますね。
次に、共通テストの英語の問題の傾向を考えてみましょう。
大学入学共通テスト英語(筆記)の傾向を読み解く
それでは、先ほどの問題分析から分かった英語の傾向を考えます。
問題の内容面と設問面の2点に分けていきましょう。
まずは、問題の内容面に関しては4つの大きな傾向がありますね。
出題内容の傾向
- すべての問題が読解問題
- 具体的な場面や状況が与えられる
- 高校生が実際に体験しそうな状況
- 複数の資料を読み取る
すべての問題が長文読解なのは、一目瞭然。
これまでのような、発音・アクセント、文法問題がバッサリ無くなりました。
そして、英文読解に関しても、具体的な言語の使用場面や状況、しかも国際交流が盛んな学校の高校生が体験しそうなもの、が与えられています。
英文の形式も、スマホのメッセージやメール、ウェブサイトと日常生活に関連があるものになっています。
さらに、複数の資料に基づく読解が大問10問のうち6問出題されている。
実際の場面で使われる英語、実用的な英語能力を測りたいのでしょうね。
日常に即した場面での使える英語力の育成は文科省の目指すところなので、その流れに乗った感じですね。
続いて、設問面についての傾向です。
設問の傾向
- 設問自体はシンプルでひねったものはない
- 英文のレベルも標準的(どちらかと言えば易しい)
- 英文を読めて情報が掴めさえすれば解答出来るレベル
ネット上の評判や予備校の分析を見ても「難化した」とありますが、決してそんなことはありません。
英文の単語や構文のレベルも標準的。
なぜなら具体的にコミュニケーションで起こりうる場面での英語だからでしょうね。
センター試験では、第4問のグラフ・図表問題あたりに学術的な内容が入ってきて、理解しにくい単語が多くなる傾向がありましたが、今回の共通テストはそういった問題はほとんどありませんでした。
「たくさん読んで、情報を処理して、素早く答える」
この能力を問うている感じですね。
大学入学共通テストの傾向をまとめてみましょう!
共通テスト傾向まとめ
- 実際にありそうな場面や形式での英文が出題される
- 複数の資料から情報を整理する形式が半数以上
- 英文自体は大量(総単語数3000語以上)だが、単語・構文は易しめ
非常にざっくりとではありますが、以上のような傾向が分かりますね。
では、この共通テストで高得点をゲットするためには、どんな対策が必要なのかを最後に考えてみましょう。
大学入学共通テスト英語(筆記)に必要な対策は?
最後に、大学入学共通テスト英語(筆記)の対策を考えてみましょう。
一番必要と思われる能力は・・・
大量の英文を素早く読んで情報を捉える力
これに尽きますね。
何よりも「長文読解力」を身に付けないといけないですね。
「じゃあ、長文読みまくればいいんじゃない?」と思うかもしれません。
長文問題を解けば自動的に読めるようになるわけではありません!
長文を読むだけではやはりダメ。
たくさんの英文を速く読む能力は、長文に慣れるだけでは身に付きません。
長文読解力の私なりのイメージです。
やっぱり、土台となる単語・文法・構文の知識があって、その上にリーディングスキル、教養が備わってこその、多読・速読スキルであろうと考えます。
では、具体的に何をしたら良いのか。対策を提案していきます。
といっても、三角形のイラストのように土台からコツコツと積み上げていくのが一番です。順番としては、上からよりも下から積み上がる方が近道です。
長文読解力を上げる王道的な学習
- 語彙を増やす(単語を覚える)
- 基本的な文法・構文を習得する
- リーディングスキルを身に付ける
- 日頃から本を読むなど情報収集をして教養を付ける
- さまざまな形式の英文を読む
当たり前と言えば、当たり前の学習方法だけど、もう少し詳しく解説します。
大学入学共通テスト対策①語彙力を増やす
語彙力は英語力の一番の土台と言っても過言ではありません。
英語は言語だから、その言葉をたくさん知っている方が、読む・聞く・話す・書くという4つの能力において有利に働きますね。
共通テストに関して言えば、そこまで難しい単語は出てこないので、大学受験用の単語帳を1冊仕上げれば十分です。
単語帳は別の記事でまとめているので参考にしてください!
-
【現役英語教師がすすめる】英単語帳10選|高校入試からTOEICまで
続きを見る
大学入学共通テスト対策②基本的な文法・構文を学ぶ
今回の共通テストから、文法4択問題、語句整序などの伝統的な文法問題が姿を消しました。
しかし、英文法が重要では無くなったわけではありませんよ。
やはり英語を正確に読むためには、英文法の知識は必要です。
そのために、英文法参考書にしっかりと取り組んでいかないといけないですね。
最近は、文法参考書を買わない学校が増えているようですが、これと決めた文法参考書を1冊をきっちりやり切った方がいいですね。何か疑問点があるときに調べることもできますし。
おすすめの文法参考書については、下の記事を参考に!
-
英文法参考書対決 いいずな書店『Evergreen』 VS 桐原書店『FACTBOOK』
続きを見る
大学入学共通テスト対策③リーディングスキルを身に付ける
リーディングスキルは、その名の通り「読むための技術」です。
具体的には次のようなものがあります。
- スラッシュリーディング
- パラグラフリーディング
- ディスコースマーカーの知識
こうした読むテクニックを身に付けると、読むスピードが格段に速くなります。
スラッシュリーディングで、英語の語順感覚に慣れ、パラグラフやディスコースマーカーの知識があれば、英文の展開が予測できるようになります。
さっと素早く読む部分と丁寧にじっくり読む部分が分かるようになって、メリハリのある読み方ができます。
読まなくてもあまり影響がないところはさっと飛ばしていけるから、読む速度が速くなるんだよ!
大学入学共通テスト対策④スキーマを身に付ける
スキーマとは背景知識のことです。
自分がよく知っているテーマの英文の方が読みやすく、よく知らない分野の英文ってあんまり理解ができません。
それは、英文のテーマに関する知識をある程度持っているかどうかが大切。。
まったく予備知識がゼロの状態で、英文を読んで正しく理解するのはかなり難しいですね。自分の中でイメージが湧かないから理解しにくいものです。
すべてに関して背景知識を持つのは無理だけど、入試に出てくる英文のテーマは結構「あるある」なものが多いです。
具体的に、何したら良いのか、というと、そんなに特別なことは必要ありません。
スキーマに関しては、日頃から本や新聞を読んだり、ニュースを見たりしておくだけでも大丈夫!
大学生になろうとするならば、受験勉強で忙しいとはいえ、本を読むなど教養を深めておいても損はないですよ。受験にも役立ち一石二鳥ですね。
リーディングスキルやスキーマに関しては、別の記事でまとめています。
-
英語リーディングの伸びる勉強法【5つの手順で攻略】
続きを見る
大学入学共通テスト対策⑤様々な形式の英文を読む
さて、最後のステップは、いろいろな形式の英文を読んでおくことです。
大学入学共通テストでは、スマホのメッセージから、メール、ウェブサイトなど、実に様々な英文が出題されました。
今後、色々な出版社が「共通テスト対策」として、いろんな英文形式の問題集を出してくるでしょうから、それらを利用するのもいいですね。
現段階であれば、英検やTOEIC、GTECの対策問題集をしておくのもいいですね。
この3つの試験の過去問はやっておいて損はないです。英検やGTECは大学のAOや推薦入試で使えるし、TOEICも大学や会社で受験することが多い。
英検であれば2級か準1級の対策問題集を、TOEICではリーディングのPART7(長文)対策に特化したものがいいですね。
いくつかおすすめを紹介しておきます。
英検であれば旺文社の過去問が鉄板ですね。
そして、TOEICの問題集であれば、長文読解のPART7に特化したこちらがおすすめ。
GTECは高校で一括受験する所も多いですね。過去問等で対策をしておくと、共通テストの問題形式への対応ができます。
しかし、問題集もいいけれど、やはりオーセンティック(本物)な英文を読んでおくことをおすすめ!
今では、スマホとかを使えば、ネットで簡単に英語のウェブページにアクセスできます。
Voice of America(VOA)はノンネイティブ向けの英語教材を無償で提供してくれるサイト。これを利用して、本物の英語を読むと英文読解の経験値がググッと上がりますよ。
まとめ 大学入学共通テストの準備はお早めに
今回は、大学入学共通テストの英語(筆記)の問題を分析して、その傾向と対策について考えてみました。
今年から新形式になり、ガッツリ長文読解となって、面食らった受験生もたくさんいたと思います。しかし、長文をしっかり読む力さえあれば、設問自体は易しいので、対策は立てやすいですね。
まずは、単語や文法・構文を押さえるという土台作りからしっかりと早めの準備に取り掛かりましょう。
焦らずに、コツコツとつみあげていこう!
最後までお読みいただきありがとうございました。