英語を書くことが苦手。どうやって英作文の練習をしたらいいの?
「英作文が苦手」という英語学習者は多いですね。
実際、私の教員経験を振り返ってみると、模試等で文法問題は解けるけど、作文になると点が取れない生徒がたくさんいました。
英作文は、正しく練習すれば誰でもできるようになるよ。
英作文には和文英作文(日本語を英語に直すもの)と自由英作文の2種類があります。自由英作文を書く必要がある人でも、まずは和文英作文の練習から始めましょう。
今回は、和文英作文の練習方法とおすすめの問題集を3つ紹介します。英作文に苦手意識がある人はぜひ参考にしてください。
3ステップ英作文の練習方法
和文英訳の英作文の練習方法は、次の3つステップで基礎から積み上げていきましょう。
和文英訳の3ステップ
- 例文を覚える
- 同じ問題を何度も繰り返す
- 難しい日本語を簡単な日本語に直す
ぱっと見ありきたりの方法に見えるかもしれませんが、この3ステップが一番確実。努力すればその分だけ身に付きますよ。
それでは、1つずつもう少し詳しく確認していきますね。
英作文の練習方法①例文を覚える
和文英作文は「英借文」と言われるほど、最初は例文を利用することが大切。例文を覚えて、文の基本の型を学ぶことが、英作文の第一歩です。
1つの例文を覚えたら、その例文をもとに数倍くらいの英文を作ることができます。
(例)With a little more money, I could buy this video game software.
もう少しお金があれば、このテレビゲーム買えるのに。
よくある仮定法の例文ですが、これを1つ覚えておくと、「〜があれば、・・・できるのに」というパターンがいくつか書けそうですね。
例
- お金があれば、車が買えるのに
- お金があれば、大学に行けるのに
- 時間があれば、勉強できるのに
1つの例文を覚えるだけで、いくつもの英作文ができます。例文を100個も覚えたら、書きたいことはほとんど書けるようになります。
例文って何を使って覚えたら良いの?
参考書や問題集は色々とあるけど、基本例文に特化している「ドラゴン・イングリッシュ」がおすすめだよ。
他の問題集と比べると100個の例文は少なめですが、不要なものを削ぎ落とし、本当に使えるものを厳選しています。
著者の竹岡広信先生は「英作文の鬼」とも呼ばれる方です。実際、私自身も、竹岡先生の講義(教員向けのもの)を何度か聞きに行きましたが、この人はヤバイ!多分、添削指導を日本で一番されている方です。添削指導をたくさんしているから、日本人がミスをする箇所を的確に掴んで、ポイントをしぼった例文を作ることができるんですね。
例文を覚えるなら、『ドラゴン・イングリッシュ』以外におそらく選択肢はありません。
英作文の練習方法②同じ問題を何度も繰り返す
「何度も繰り返し」は英語学習の基本ですが、英作文でもそれは同じです。同じ問題集を3周くらいはしたいですね。
問題集を1回やっただけで、パッと力が付くことはないし、その問題集のポイント等が体得できるわけではありません。
ポイント
作文問題を解いて、解答と解説をよく読んで、自己添削をする
この基本の取り組みを何度も繰り返して、問題を見た瞬間にパッと解説まで思い浮かべられるレベルまで繰り返すのが理想です。
誰かに添削してもらった方がいいんじゃないの?
添削は効果絶大だけど、基本的なものが書けるレベルまでは、自己添削で大丈夫。
実際、私自身は、大学受験の時も、独学で英語を勉強しましたし、英検等のライティングの練習も独学で済ませました。
添削指導は大切ですが、基本例文を覚えて、自分で問題演習をして自己添削ができるレベルまで持っていかないと、添削指導の効果は薄いです。
添削指導は、基本的な英文が書けるレベルになるまでは我慢しよう。
まずは、何度も繰り返し問題を解いて、英作文の基礎力を上げていきましょう。基本的な英作文を練習する問題集については、後で紹介します。
英作文の勉強方法③和文和訳をする
英作文の3つ目のコツは和文和訳をする力を身につけること。これが意外に大切で、この力が身に付くと英作文の初心者を卒業ですね。
和文和訳って何??
和文和訳は、日本語の問題文を英語に直しやすい日本語に直すこと。英作文の問題文である日本語は、そのままでは英語に直しにくいときがあるからです。
書かれている日本語の意味をしっかり理解して、簡単なわかりやすい日本語にすることで、グッと和文英訳がしやすくなります。
「簡単なわかりやすい日本語」っていうのは、自分が覚えた例文で対処できそうな日本語のことだね。
例で考えましょう
本好きにするには、本の楽しさを知らせる必要があります。一方的に母親が押しつけたのでは、嫌になります。まず、一緒に本屋へ行って、本を探すことから始めてみます。(奈良女子大)
「本好き」、「本の楽しさ」、「一方的に、押し付ける」、「嫌になる」という太字部分が少し英語に直しにくい日本語では無いでしょうか。
この日本語を英語に直しやすい簡単な日本語にしてみると・・・
ポイント
もし母親は子供に本を読んで欲しいなら、母親は子供に本を読むことは楽しいと教える必要がある。母親が子供に無理やり読書をさせたら、子供は本を読むことが嫌いになるだろう。まず、母親は子どもと一緒に本屋に行って、本を探そう。
これなら、基本的な構文で書けそうな気がします。
和文和訳をする際は次の2つに注意するといいよ。
和文和訳のポイント
- 日本語で省略されている主語を補う
- 小学生にも伝わるような簡単な日本語を使う
日本語は、英語と違って、よく主語等が省略されることがあります。その省略を補うだけでかなり書きやすい日本語になりますね。
また、難しい日本語を英語に直そうとすると、使い方が分からない難しい英単語を使ってしまい、ミスが増えます。なるべく簡単な日本語に置き換えることで、簡単な英単語を思いつけるようになります。
英作文の練習方法を一言で言うと、「例文を覚えて、和文和訳をしてから、問題を解くことを繰り返す」。これだけで、かなり作文力は上がるよ。
では、最後に作文問題を練習するのに、最適な問題集を3冊紹介しておきます。どれも、基礎的なものなので、作文練習の最初の1冊にふさわしいものですよ。
英作文の練習におすすめの問題集3選
ここで紹介するのは、基本的な英作文が練習できるもの。繰り返し何度も取り組んで、英語の型を覚えていこう。
おすすめ問題集①[必修編] 英作文のトレーニング
まずは、外せないこの1冊。英作文のコツを50のルールにまとめて、全部で100題の問題を解いていきます。どれも基本的な問題なので、英作文が苦手な人でも取り組みやすい。
全部で100題あるけど、短めの初歩的な問題なので、1日2〜3題ずつ解いてもそんなに負担になりません。1ヶ月くらいで1周終わるので、何回も繰り返し解くと良いですね。
大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編
次に紹介するのは『大学入試英作文ハイパートレーニング』です。大学入試に対応しているので、レベル的には、『[必修編] 英作文のトレーニング』より少し上という感じ。
レッスン(問題)は66個と厳選されているので、繰り返し解くのにも良い。日本人が間違いやすいポイントがとてもよく分かります。
この問題集の一番の魅力は、文法についての解説が詳細でしっかりしていること。英文法はある程度理解できるけど、作文になると、英文法を生かすことができないという人におすすめ。
『大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編』は英作文をするために必要な文法を学習することができます。
世界一わかりやすい英作文の授業
最後に紹介するのは『世界一わかりやすい英作文の授業』になります。「世界一分かりやすい」かどうかはともかく、かなりとっつきやすい問題集。
英作文を書くのに必要な考え方や発想を学べる。「自分の英語力で書ける内容を書く」というコンセプトですね。この考え方は、和文和訳のスキルに繋がりますよ。
練習問題はちょっと少なめですが、考え方を読むだけでかなり参考になるので、特に英作文が苦手な人におすすめです。
英作文の練習は手を動かすことから
英作文の勉強は「例文を覚え、和文和訳をして、繰り返し何度も解く」ことが基本ですが、大切なことは、まず手を動かして書いてみることです。
たくさん書いてみることが大切なのね。
今回紹介した3ステップを守ってたくさん書けば、きっと作文力は身につくよ!
まずは手を動かして、たくさん書いて、たくさん間違えることで、英語を書く力は伸びていきます。今回紹介した、練習方法やおすすめの問題集を利用して、英作文の力をつけていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。