勉強ができないので塾に通いたいと思います。おすすめの塾ってありますか?
学校の先生やっていると、伸び悩んでいる生徒やその保護者によくこんな質問を受けます。
私の答えはいつも決まっています。
塾行くよりも、独学した方が絶対に効率がいい!
塾行かなくても、英語は絶対できるようになる。
これが私が常々、生徒や保護者に伝えていることです。
塾で講義を受けるよりも、自分で独学した方がメリットは多いと私は考えています。
私自身、大手の予備校にも通ったし、「宅浪(自宅で独学で浪人)」、「仮面浪人(大学へ通いながら浪人」も経験しています。
今回は、塾と独学のメリットとデメリットを解説していきます。
こんな人に読んでほしい
- 塾に行こうかと考えている中高生
- 子供に塾に行かせたいと考えている保護者
- 4月から大学入試に向けて心機一転頑張りたい受験生(浪人生も)
「塾に行った方がいいのか」「うちの子に塾に行かせた方がいいのか」と悩んでいる方の参考になれば幸いです。
塾と独学のメリット・デメリット
「とりあえず塾に行ったらいい」と考えている人は、ちょっと立ち止まって、塾に行くことのメリット・デメリットを考えてみましょう。
学習塾のメリット
塾通いのメリットは大きく3つあります。
塾通い3つのメリット
- 学習のための時間や場所の確保
- 何を勉強すればいいのかを考えてくれる
- 勉強する集団・仲間ができる
まず1つ目のメリットは、学習する時間や場所が確保できること。
学力を上げるには、学習時間を積み重ねていかないといけません。
塾に行けば、講義を受けている時間やそのための予習の時間として、学習をせざるを得ないので、嫌でも勉強するようになります。
また、自習室などを提供してくれる塾などであれば、勉強する空間もできるのでとても重宝します。
2つ目は、学習の計画を塾が考えてくれること。
すべての塾がそうだとは言えないけど、ほとんどの塾は現在の学力に応じてクラス編成をするし、次にどんな教材を使うのかを塾側が組んでくれる。
これは助かりますよね。余計なことを考えずに、勉強に専念するだけでいいのですから。
3つ目は、勉強する仲間が増えること。
同じ塾で勉強して、切磋琢磨する仲間ができます。当然、勉強しない集団にいるよりも、勉強を頑張る集団の中に身を置いた方が、頑張れます。
大きなメリットしては上の3つ。これは、塾を選ぶ時のポイントにもなりますよ。
少なくとも、上記の3つが無いような塾には通う意味が無い、と言ってもいい。
学習塾のデメリット
続いて、デメリットをチェックです。デメリットは大きく5つあります。
塾通い5つのデメリット
- 塾の費用が高額
- 講師(先生)の質に当たり外れがある
- 集団・一斉の授業が中心で無駄が多い
- よくない集団だと悪い影響を受けることがある
- 学校と塾の二重体制になって中途半端になる
1つ目のデメリットは、お金がかかること。
これは仕方ないかもしれないけど、高いお金を払う価値があるかどうかはよくよく考えましょう。
お金がどれくらいかかるかは、塾によって違うけど、入会金・講義代(月謝)・教材代などがそれぞれどれくらいかかるのかを考えないといけないですね。
2つ目は、講師の質に影響されること。
この「講師の質」という点が、私が塾通いについて一番懸念するところです。
塾の先生って、意外にアルバイトが多い。しかも大学生の。私の立場から言わせてもらうと、素人の先生です。
もちろん中には良い人や上手な人もいるかもしれないけど、ピンキリですよね。
私の経験上、塾でいい加減な説明や指導を受けてる生徒にたくさん出会っています。「いや、それ違うだろ・・・」みたいな解説受けてたりする生徒もいるので、ちょっと信用できないなーと思ったりします。
3つ目は、ほとんどは集団授業だから自分に必要な講義とは限らない。
まあ、これは学校の授業も同じかもしれません。
例えば、長文読解の予習をしていて疑問点や不明点があったとしても、集団授業だったら必ずしも自分が知りたい箇所をピンポイントで解説してくれるわけではないですね。
そうなると、その授業ってかなり効率悪いです。自分にとって不要な解説(分かりきっていること)を長々聞いて、本当に必要な箇所の解説が無いと、時間の無駄になってしまいます。
4つ目は、塾通いでの仲間の質に左右されること。
これは、先ほどのメリットの3つ目にも関係する話です。塾で一緒に勉強する友達が、前向きで頑張る集団ならいいけど、いい加減に勉強する志の低い集団なら、かえって悪い影響が出ます。
5つ目は、塾と学校とでの指導が分かれて中途半端になってしまうこと。
当然、塾には塾の、学校には学校の指導方針、教育方針があります。
それぞれ目標や目的があって、学習計画や受験計画なんかを立てるんですが、別々の指導を受けると、かなり中途半端な感じになるし、生徒自身が悩んでしまうかもしれません。
学習以外のところで、悩みを抱えてしまうと、マイナスにしかならないから、塾に行かずに学校の指導だけ一本に絞ればいいのでは無いか、と思います。
もちろん、指導がいい加減な学校もあるので、こうした場合は、塾の指導に従えばいいと思いますよ。
ここまでの塾通いのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
塾のメリット・デメリット
塾通いのメリット
- 学習する場所や時間が確保できる
- 学習計画を組んでくれる
- 勉強する仲間ができる
塾通いのデメリット
- お金がかかる
- 講師の質に影響される
- 時間的な効率が悪い
- 塾の友達に影響される
- 学校と塾の指導がぶれる
どうでしょうか?
私のこれまでの経験から、変な偏見を持ってるからかもしれないけど、ちょっと塾通いについては辛口になってしまいます。
ただ、これは塾を選ぶ際のポイントにもなります。
私が考えている5つの塾のデメリットをクリアできるような塾であれば、安心して通塾させることができるのではないでしょうか。
- 費用が明確で分かりやすい
- 学習者に応じた授業
- バイトではなく正社員中心の講師
- 高い志を持った仲間
- 学校と連携をとってくれる
上記の5点に注意して、塾を選べば失敗はしないと考えます。
もっとも、私としては、塾よりも独学がベターと考えているので、次は、独学のメリットデメリットを説明していきます。
独学のメリット
それでは、独学でのメリットを考えてみましょう。
独学4つのメリット
- お金がそこまでかからない
- 自分に必要な学習ができる
- 時間を有効に活用できる
- 責任感と計画性が身に付く
1つ目は、お金がかからないこと。
当然、自分で独学するので、月謝などのお金はかかりません。もっとも、参考書や問題集を自分で購入する必要があるので、その分のお金はかかりますけど、塾代金に比べると微々たるものです。
2つ目は、自分のペースで自分に必要な勉強ができること。
独学で勉強するわけだから、自分に必要な教科や分野にターゲットを絞った学習ができる。これすごいメリットです。苦手な分野があるのなら、そこに時間を全振りして学習すればいいだけです。
塾に通っていたりするとこうはいきません。
納得できるまで、問題を解いたり、参考書の解説を読み込むことができるのも、独学の魅力です。
3つ目は、効率的な時間の使い方ができること。
塾のデメリットでも少し触れましたが、例えば90分の塾の講義を受けるとして、本当にその90分は必要でしょうか。
英語の問題を解いて、その解説を聞くにしても、自分にとっての疑問点や不明点だけで十分だと思います。問題集や参考書であれば、90分間もかからずに、その疑問を解消することができるはずです。
そして、浮いた時間を他の勉強に充てることができるので、時間効率は随分良くなります。
特に、大学受験で国公立を考えている人は、5教科全てを勉強しないといけないので、効率良く時間を使う必要がありますしね。
4つ目は、学習に対して責任感身に付くこと。
独学は基本的に自分で計画を立てて、学習していきます。
自分の弱点強化や分野を把握して、どれくらい勉強するかを考えながら学習を進めていかないといけない。
当たり前だけど、自分の学力や学習に対して前向きになるし、責任感、自主性が身に付きますよね。いやいや、仕方なく勉強するのとはかなり差が出ますよね。
学習にとって意欲ってとても大切ですからね。
お金がかからず、自分のペース、効率的に勉強ができるのが独学の魅力だけど、デメリットも押さえておいて欲しい。
独学のデメリット
おすすめの独学だけど、もちろんデメリットもあります。
独学2つのデメリット
- 計画を自分で立てる必要がある
- モチベーションの維持が難しい
1つ目は、自分ですべて考えて学習しないといけないこと。
独学だから、基本的に自分一人ですべきことがたくさんあります。
- 教材選び(問題集・参考書)
- 学習内容を決める
- 学習時間の設定
塾に通ったりしていると、上記の3点は塾が考えてくれていますが、独学では、自分で考えないといけない。
もっとも、学校の先生なんかは相談に乗ってくれるとは思います。
2つ目は、モチベーションの維持が難しいこと。
これが独学の一番のネックかもしれません。一人で勉強するっていうのは本当に辛い。一緒に勉強する仲間がいれば心強いのですが、独学してると心が折れそうになります。
実際、私自身、高校3年時、浪人時代は独学だったので、かなり孤独でしんどい勉強をしていました。
メンタル的な強さや明確な目標意識が必要でしょうね。
それでは、独学のメリットとデメリットをまとめてみましょう。
独学のメリット・デメリット
独学のメリット
- コスト(お金)がかからない
- 自分のペースで必要な学習ができる
- 効率的な時間の使い方ができる
- 学習に対する意欲が向上する
独学のデメリット
- 教材・計画など自分で考えないといけない
- モチベーションの維持が難しい
どうでしょうか。
独学って結構メリットがたくさんありますが、やはりデメリットもあります。
私自身が、塾(大手のK塾)に通ったことも、独学で勉強したこともあるけど、自分的には学習には独学が最高であると考えています。
ただ、勉強の仕方は人それぞれで、向き不向きがあります。
最後に、どんな人が独学に向いているのかを考えて終わりましょう。
独学が向いている人は?
それでは最後に独学が向いている人は、どんなタイプの人なのかを考えてみましょう。
一言で言うと・・・
自主性があり、計画力があって、学習意欲を維持できる人。
自分で問題集・参考書などの教材を決めて、1日の学習計画、数ヶ月の学習プランを立てて、モチベーションを保って、計画を実行する。
かなりハードルが高いですか??
でも、塾に通って、教材や計画を提供してもらっても、意欲を持って自主的に取り組まないと、ただ塾に通っているだけで結果は出ないと思いますよ。
今現在「自主性がない、計画性がない」という人でも、いざ独学をするとなると、自分でせざるを得ないので、自分で考えて学習をするようになります。
私自身、最初から自主的に、計画的に、意欲的に、学習できたわけではなく、独学をする中で、そうした学習姿勢が身に付いたと考えています。
塾とかで、「強制的に追い込まないと勉強ができない」という人は、塾通いをするのは1つの手段ですけどね。
私個人の意見だけど、勉強って自分でするものだと思います。
学校であれ、塾であれ、きっかけづくりにはなるかもしれないけど、自分で能動的に学習することが何よりも大事です。
塾通いも悪くは無いけど、まず自分でできる学習を考えて、勉強することを初めてみてはどうでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。