英単語を覚えるのが苦手。知らない単語を推測する方法が知りたい。
英単語は英語学習の基本。特に、英単語を覚えていないと、英語長文を読むときにかなり不利になります。
こんな悩みにお答えします
- 英語長文の中に未知語が出てきたら分からなくなってしまう。
- 未知語が出てきたときにどうしたらいいのか知りたい!
英語長文に出てくる英単語の8割を知っていないと読めない、と言われるくらい英単語は大切だよ。
英単語は覚えないといけないが、覚えるのが苦手な人は、知らない単語に出会ったときの対処法を知っておきましょう。
この記事では、英語長文を読むときに出てくる単語の意味を推測する方法を解説します。英単語を覚えられない人、暗記が苦手な人は、推測方法を知って、少しでも暗記の負荷を減らしていきましょう。
英単語が覚えられない人が知るべき鉄則
英単語が覚えられない!と悩む人がまず知っておかないといけないことは次の3点。
- すべての英単語を覚えることはできない
- 英単語を覚えたとしてそのうち忘れる
- 自分が知っている単語を最大限に活用する
当たり前のことですが、すべての英単語を覚えることはできないし、単語帳を使って英単語覚えようとしても、覚えたと思ったそばから忘れてしまうものです。
私の経験上、どれだけ単語学習をしても、英検やTOEIC、大学入試の英語長文で、知らない単語はいくらでも出てくるし、英検1級受験の時に覚えた単語もかなり忘れています。
単語を覚えていくことは大切ですが、「単語が覚えられない」と思い悩むよりも、今の自分の単語力を有効に活用する単語の推測方法を知っておきましょう。
覚えられない英単語の意味を推測する方法
覚えられない英単語の意味を推測する方法は大きく2通りあります。
英単語の推測方法
- 文の前後の流れ(文脈)をもとに推測する
- 単語の成り立ちから推測する
●1つ目は、単語の意味を文脈をもとに推測するやり方。知らない単語の前後をヒントにして考えます。
●2つ目は、単語の成り立ちをもとに意味を推測していきます。英単語にも、漢字の「へん」「つくり」のような働きがあるので、その成り立ちをヒントに推測をします。
それではもう少し具体的に単語の意味を推測する2つの方法を解説します。
覚えられない英単語を推測する方法①前後の文脈から推測
覚えられない英単語を推測する方法①前後の文脈から推測していく方法です。
「前後の文脈」と言われてもピンときません。
確かに、「前後の文脈」と言ってもよく分からないので、ここではもっとはっきりとディスコースマーカーを利用して考えていく方法を紹介します。
ディスコースマーカーとは?
文章の流れ(文脈)をわかりやすく示すための標識のような語句のこと
ディスコースマーカーにはそれぞれ役割があり、その役割を利用して考えます。
単語の意味の推測で一番よく使うのは「言いかえ」や「同格」のディスコースマーカー。
ディスコースマーカー
- in other words「つまり・・・」
- in a sense「ある意味・・・」
- that is to say「すなわち・・・」
- or「すなわち・・・」
- ,(カンマ)同格表現
- :(コロン)同格表現
- ー(ダッシュ)同格表現
こうしたディスコースマーカーの前後は同じ意味ということだね。
少し例文で確認してみよう。
I want to study astronomy, or the science of stars.
Q:astronomyの意味は?
"astronomy"の後に「同格」の"or"があるから、"astronomy"="the science of stars"ですか?
その通り。「星の科学」つまり「天文学」になりますね。
My grandmother is slightly deaf. In other words she is hard of hearing.
Q:deafの意味は?
"she is hard of hearing"と同じような意味だから「耳が遠い」ってことかな。
このようにディスコースマーカーの働きや役割を理解しておくと、知らない単語の意味が推測できる場合があります。
ディスコースマーカーについては別の記事でまとめていますので合わせてお読みください。
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【英語長文のコツ】ディスコースマーカーで読解力アップ!
続きを見る
覚えられない英単語を推測する方法②単語の成り立ちから推測
覚えられない英単語を推測する方法②単語の成り立ちから推測していく方法。
英単語にも、漢字の「へん」や「つくり」に相当するものがあります。接頭辞や接尾辞と呼ばれています。
単語を構成する要素を知っておくと、自分の覚えている単語から大体の意味を推測できますよ。
【接頭辞+語根+接尾辞】
単語は中心の意味の「語幹」に「接頭辞」や「接尾辞」が前後にくっついています。
(例)re-:「後ろに・もとへ・再び・繰り返し」
re-flect「反射する」, re-use「再利用する」
re-turn「戻る」, re-bound「はね返る」
(例)-ful:「〜に満ちた」
hope-ful「希望に満ちた」, use-ful「役に立つ」
なるほど。「接頭辞」や「接尾辞」から、なんとなく意味が推測できるんですね。
そうだね。いくつかの接頭辞や接尾辞を知っておくと便利だよ。
長文を読んでいてよく目にする接頭辞・接尾辞を紹介しておきます。
接頭辞の例
- bi-:「2・複・重」 bicycle
- co-/com-:「共同・ともに」cohabit, compare
- dis-:「反対・分離」dishonest
- en-:「中に入れる・〜にする」encase
- ex-:「前の・元の」export
- ill-/il-:「不当・ひどい」illegal
- in-/im-/ir:「否定」inability
- pre-:「前の」prewar
- pro-:「前に」propose
- re-:「再び」replace
- un-:「逆」「1つ」unlock
続いて、接尾辞です。
接尾辞の例
- -able/-ible:「〜できる」believable
- -ee:「〜される人」employee
- -er :「〜する人」reader
- -ism:「〜主義」socialism
接頭辞や接尾辞をある程度知っておくと、知らない単語を推測できるだけでなく、今覚えている単語を増やすこともできます。
例えば、employという単語を知っているとすれば・・・
employ(動詞)雇用する
・un-をくっつけるとunemply:解雇する
・-eeを後ろに足すとemployee:雇われている人→社員
・-erにするとemployer:雇っている人→雇用主
employという1つの単語から3つの単語に増やすことができます。単語が覚えられない人にとっては、とても便利な接頭辞と接尾辞ですね。
接頭辞や接尾辞に関する知識を持つと、自分の語彙力も2倍3倍に膨れ上がるよ。
この接頭辞や接尾辞については、別の記事で詳しく解説していますので、合わせてお読みください。
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【英単語が覚えられない人向け】英単語の覚え方|現役英語教師が解説
続きを見る
まとめ 英単語が覚えられないなら推測しよう
今回は、英単語がなかなか覚えられない人向けに、英単語の推測方法を紹介してきました。単語がなかなか覚えられないという人は、分からない単語を推測するテクニックで乗り切っていきましょう。
いきなり推測しろ!って言われても難しいだろうから、英文を読む中で推測の練習していくのがおすすめ。
単語の推測をする練習には「英語多読」が効果的です。
多読の原則は辞書を使わない読み方だから、必然的に分からない単語を推測して読み進めることになります。その結果、推測する力も身につくし、ついでに単語も覚えられるかもしれませんよ。
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【驚きの効果!】英語多読の効果的な方法
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ただし、単語推測は万能では無いので、単語の暗記は続けましょう。丸暗記がどうしても苦手だ、という人は、先程の接頭辞・接尾辞、さらに語源というパーツで覚えていくのもおすすめです。
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【英単語が覚えられない人向け】英単語の覚え方|現役英語教師が解説
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単語の勉強は、英語学習で避けては通れないもの。一人一人に最適な方法を見つけて、ボキャビルに励んでみましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。みなさんの英語学習のお役に立てば幸いです。