英語の長文読解が苦手で色々と勉強方法を調べているんだけど、どれが正しいのか分からないんです。
英語長文の勉強をしよう!と意気込んで、ネットで調べると様々な方法が見つかります。
ただ、たくさん方法があり過ぎて、一体どうやって勉強をしたらいいのか悩んでいるのはあなただけではありません。
正直言って「ん???」と首をかしげるような変な勉強法もあります。
この記事では、英語長文の勉強方法について考えていきましょう。
特に、模試の長文で点数が取れないと悩む高校生やTOEICのリーディングパートが苦手な人はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- ネット上にあふれる変な英語長文の勉強法
- 確実に伸びる英語長文の勉強法
10年以上進学校に勤務し、3000人近くの生徒の受験指導をしてきた現役の高校英語教師の視点から、英語長文を勉強するコツを紹介します。
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ネットで見かける変な英語長文の勉強法
ネットで見かけるおかしな勉強方法についてチェックしてみましょう。
「英語長文 勉強法」で検索すると、実にさまざまな勉強法が出てきます。
その中には、「いや、それはちょっと違うだろう・・・」というものもあります。
「間違っている」とは言わないけど、正直言って怪しいものも多いよ。
よく見かける勉強に関する考え方は次の3つ。
自分が今取り組んでいる勉強方法と比べてみましょう。
この勉強法あってるの?
- 単語の暗記よりも単語推測力(?)をつけよう
- 英語長文を和訳しても意味がない
- 英語長文を読みまくっても無駄だ
どうでしょうか?よく耳にする勉強方法だと思います。
これら3つの英語長文の勉強に関する考え方は、ある意味正解ですが、ちょっと怪しいですよ。
単語をたくさん覚えるよりも単語推測力?
単語推測力をすすめている学習方法はたくさんありますね。
このやり方大丈夫?
単語の暗記にはキリがないから、知らない単語を推測する力をつけよう。
「単語推測力」とは前後の文脈から分からない単語の意味を推測する力のことです。
「単語推測力」があれば「ある程度」の単語力で長文が読めるということになります。
これはその通りじゃないですか?
ある意味では正解。
単語推測力よりも、単語をたくさん覚えた方が絶対にいい。
かりに「単語推測力」が身についたとしても、前後の英文に知らない単語がたくさんあれば、文脈から予測するのはまず不可能。
前後の文脈から単語を推測する力が不要だとは言わないけど、その単語を知っていたら、推測する手間が省ける。
単語知ってれば、知っているほうが良いに決まっているんですね。
「単語を推測する力」よりも、まずは知っている単語をどんどん増やしていくのが鉄則。
遠回りな気がするけど、確実に覚えて行った方が近道なんですね。
英語長文を和訳しても意味がない?
英語長文を和訳しても無駄だという主張もよく耳にしますね。
和訳が無駄という根拠?
- 英語長文を一文ずつ訳す練習は無駄。
- 長文は早く読まないと意味がないから、和訳より内容理解の練習が必要だ。
これもその通りな気がするけど・・・。
だけど、そもそも正しく読めないとダメなんじゃないかな?
「速読や内容理解が大切」とよく言われますが、英文を正しく読めたかどうかをどうやって確認していますか?
やっぱり、日本語訳に頼らざるを得ないですよね。
英文を読んで、ざっと内容を理解するためにも一文一文きちんと和訳できる必要があります。
私の経験上、基本として丁寧な和訳がちゃんとできないと、速読も内容理解もできません。
英文を読みまくっても無駄?
英文長文をたくさん読みまくっても意味がない、というのもよく言われていますね。
たくさん読んでも無駄?
- 手当たりしだいに英文を読んでも無駄だ。
- 英文を読むだけでは意味がない。きちんと復習しないとダメ。
これは半分正解だけど、半分不正解。
もちろん復習は大切だけど、復習って何をするべき???そこらも明確にしていない勉強方法がたくさんあります。
復習が大切と言われても、何をしたらいいのか分からないと困りますね。
復習の中身はあとで説明するとして、英文を「ただ読むだけ」でも一定の効果はあります。
英文をたくさん読むことで、入試や試験によく出るテーマを知ることもでき、背景知識(スキーマ)を得ることができるんですね。
さらにたくさん英語長文を読むことで、多くの英単語や熟語に出会うことができ、語彙力の強化にも繋がります。
さてここまで、ネット上で目についたおかしな(?)な勉強法について紹介しました。
もちろん全部が大外れっていうわけではないよ。
英語を教えている人間の視点からいうと、手間を省いたお手軽で効率的な勉強法を推奨している場合が多いですね。
じゃ、どんな勉強をしたら良いの??
英語長文の確実な勉強法|4つのステップ
それでは、現役英語教師が英語長文の勉強方法を紹介します。
4つのステップで順にやっていきましょう。
お願いします!
英語長文の勉強法
- なによりもまずは単語力
- 一文一文を日本語訳す練習を
- リーディングスキルを身に付けよう
- 英語長文を読んだら音読で復習しよう
「手っ取り早く」、「お手軽」ではないけれど、確実に英語長文を読めるようになるよ。
英語長文の勉強法①まずは単語力
英語長文だけに限ったことではないですが、英語の勉強はまず単語力。
英語長文の内容を理解するためには、その英文に含まれる英単語の8割を知らないといけないと言われています。
まずは、その8割の部分をしっかりと覚えていく必要があります。
「読み方」以前の問題だから、まずは英単語をサボらずに覚えていこう。
「英語長文が苦手・・・」という生徒のほとんどが単語力の不足。乱暴な言い方ですが、単語さえわかれば、長文問題はなんとかなるもんです。
単語ってどれくらい覚えたらいいんですか?
例えば、大学入試用の単語帳には入試頻出の単語が約2000語載っています。つまり、2000語程度は頑張って覚える必要がありますね。
おすすめの単語帳については別の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。
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【現役英語教師がすすめる】英単語帳10選|高校入試からTOEICまで
続きを見る
さらに、英語長文を読む中で出会う単語でも単語力をつけていけばいいね。
語彙力の増強は常に意識をして取り組む必要がありますね。
自分の語彙力の強化と合わせて、単語推測力を身に付けていけばいいですね。
単語の推測方法については、別の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。
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【英単語が覚えられない人向け】英語長文の単語推測方法|現役英語教師が解説
続きを見る
英語長文の勉強法②精読をして和訳練習
続いて勉強法の2つ目は、一語一句を丁寧に読む「精読」をして、日本語訳をしていきましょう。
全文和訳って本当に必要ですか?
経験上、間違いなく効果はあるよ。
日本語訳を一度やったらすぐに分かりますが、英語をぼやっと理解している箇所は変な日本語にしかなりません。
つまり、きちんと和訳するためには、英文が100%理解できないと無理。
まずは正確にきちんと英文が読めないと、速読も内容理解もありませんよね。
焦らずに一語一語丁寧に読む練習をしていくことが、実は一番の近道になります。
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【厳選】英語長文問題集の選び方|現役英語教師がおすすめする10冊
続きを見る
こちらの記事では読み方を学ぶ5冊と量を読むための5冊の計10冊を紹介しています。精読用としては、「読み方を学ぶ5冊」が良いですね。
英語長文の勉強法③リーディングスキルを学ぼう
単語を覚え、一語一語丁寧に読めるようになったら、次はリーディングスキル、読むための技術を身につけましょう。
代表的なリーディングスキルは・・・
- スラッシュリーディング(速読)
- パラグラフリーディング(段落構成)
- ディスコースマーカー(文の道しるべ)
こうした読むための技術を身につけると、読むスピードや英文の理解度がグッと上がりますよ。
一語一語正確に読む力と合わせてリーディングスキルを知れば、英語長文を読む力がかなり向上します。
リーディングスキルについては別の記事でまとめていますので併せてお読みください。
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英語リーディングの伸びる勉強法【5つの手順で攻略】
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英語長文の勉強法④復習は音読で決まり
「英語長文を読んだり、解いたりした後の復習って何をしたらいいの?」
復習には音読をしっかりやりましょう!
音読はその名の通り、英文を声に出して読むこと。復習にはこれが最適です。
音読って英語長文の勉強に意味ありますか??声に出すから発音やリスニングに役に立つのは何となく分かるんですけど。
音読の効果は音声的なことだけではありません。
きっちりと理解をした英文を繰り返し何度も音読することで、単語の意味や構文などのポイントが頭に叩き込まれます。
英語長文をしっかり読んで、内容を確実に理解したら、音読するだけ。20回も読んだら最高の復習になりますよ。
音読の方法については、別の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。
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【英検・TOEIC対策にも】3ステップ正しい英語音読の方法
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英語長文の勉強4つのステップで確実に
今回は、確実に伸びる英語長文の勉強方法を紹介しました。
お手軽な即効性のあるようなものではなく、多少時間はかかるけど努力すれば必ず力が付く方法です。
でも、どうせ勉強するからには、確実に力をつけたいですね!
そうだね。オーソドックスな方法かも知れないけど、しっかりとした英語力を身に付けられるよ。
単語を覚える。一語一句ていねいに読む。リーディングスキルを身に付ける。音読で復習する。
この4つをしっかりしていけば、英語の長文を読める力がググッと上がります。
時間は多少かかるかも知れませんが、確実性の高い方法です。英語長文に悩む人はぜひ実践してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。