分野別勉強法

【使える英語が身に付く】シャドーイングの正しいやり方

2020年4月26日

悩む人

シャドーイングがリスニングやスピーキングの練習に良いって聞くけど、シャドーイングって何?

英語のリスニングやスピーキングの練習方法として有名な「シャドーイング」。リスニングやスピーキングの勉強をしたいとお考えの人は一度は耳にしたことがあると思います。本屋さんでも「シャドーイング」の本をたくさん見かけますね。

シャドーイングはもともとは同時通訳の基礎訓練方法です。今では英語学習の方法として、学校教育の現場でも取り入れられたり、シャドーイングの本が多数出版されたり、シャドーイングという言葉はかなり浸透しています。また、シャドーイングのやり方もいろいろとバリエーションが豊富になりました。

なかには、本当にシャドーイングと言えるのか?という効果が疑われるものもあります。

たそ
悩む人

じゃあ、正しいシャドーイングのやり方ってどんなものなの??

シャドーイングは優れた練習方法ですが、適切なやり方をしないと、期待しているように英語力は向上しません。シャドーイングを正しく理解して英語学習に役立てましょう。

この記事を書いた人

現役英語教師(20年目)。高校3年時、1日14時間の独学で偏差値40台から80まで上げる。浪人を経験し、文学部英文科から英語教師の道へ。英検1級一発合格・TOEIC満点。教育困難校からトップ校で勤務。abcを書けない生徒から東大・京大を受験する生徒まで指導経験あり。

この記事でわかること

  • シャドーイングの効果
  • 正しいシャドーイングの具体的なやり方
  • シャドーイングをする上での注意点

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英語シャドーイングは通訳者向けの訓練

英語シャドーイングは通訳者向けの訓練
シャドーイングは同時通訳の訓練

シャドーイング(shadowing)という練習方法は、もともとは通訳を目指す人の基礎訓練です。同時通訳の訓練として、かなり昔から取り入れられていて、その効果には信頼性のある英語の練習方法

練習内容はいたってシンプルです。

英語を聞いて、そのすぐ後に続いて、聞いた英語を発音して再現する

まるで影(シャドゥ)のように、聞いた英語の後に続いて発声するので、シャドーイングと呼ばれているのですね。

影のように音声を追って発音していきます

聞こえてくる音を、少し遅らせて(1秒程度)オウム返しのようにそっくりそのままくり返すことが、シャドーイングですよ。

たそ

シャドーイングは耳と口の訓練と思われがちですが、実は英語に関するあらゆる知識を総動員して行う練習です。

単なる「オウム返し」ではなくて、単語の知識・発音やアクセント・イントネーションなどの音声の知識はもちろん、英語を理解するための文法や構文の知識も必要です。

悩む人

シャドーイングって英語力全般の力を鍛える練習になるのね。

それでは、シャドーイングをすることで、具体的にどんな効果があるのかをみていきましょう。

シャドーイングの効果【英語の聞く・話すが向上】

シャドーイングの効果【英語の聞く・話すが向上】
シャドーイングの1番の効果は聞くと話す

シャドーイングは、英語力全般を鍛える練習ではあるけれど、特に「聞く力」と「話す力」への効果は格別です。

悩む人

通訳の人もやる訓練だから、リスニングやスピーキングは相当鍛えられそうよね。

シャドーイングはリスニング力やスピーキング力の向上には特に効果的です。英語を聞く・話すに関して、次の4つの効果が見込まれます。

シャドーイングの4つの効果

  1. リスニングの理解力が上がる
  2. 英語の速い音声に慣れる
  3. 英語の発音等が身に付く
  4. リスニングの集中力が高まる

それでは、シャドーイング4つの効果を1つずつ確認していきましょう。

効果①リスニングの理解力が上がる

シャドーイングは聞こえた音を繰り返します。このトレーニングを続けることで、聞き取り能力が上がるのはもちろん、聞いた英語を記憶に留めておく力、瞬間記憶力が向上します。

頭の中に英文が残っていれば、理解するための情報が多い状態。頭の中で英文を再構築できるので、聞いた英文の意味を理解する手がかりが多くなります。

例えば、有名な「キング牧師のスピーチ」を聞いた時に、聞き取れた箇所が下のようだと・・・。

英文が残っていない状態

I have ・・・ that ・・・ day ・・・ red hills・・・ Georgia, the sons ・・・ ・・・ slaves and the sons of ・・・ owners will be able to ・・・・ together ・・・table of brother・・・.

*英語を聞いていもこれだけしか記憶に残っていない

悩む人

これだとちょっと理解しにくいわね。

シャドーイングを続けたら、聞こえる部分も増えるし、聞こえた英文が頭に残るので、リスニングの理解がしやすくなりますね。

つまり、下記のような流れでリスニングの理解度が向上していきます。

  1. シャドーイングで聞き取れる英語が増える
  2. 英文を理解する手がかりが記憶に残る
  3. 読まれた英文を理解しやすくなる

効果②速い音声に慣れる

シャドーイングは、聞こえてくる音声と同じ速さでくり返し話すから、速い音声で練習すればするほど、音声のスピードに慣れます。

いきなり、速い音声で練習しても挫折するから、徐々に慣らす必要があるよ。

たそ

最初は120WPMくらいのゆっくりの音声教材を利用して、徐々にスピードを上げていけば、無理なく速い音声に慣れることができます。

ニュースは大体160WPM前後ですが、200WPMを目標にすると、かなりの早口にもついていけます。

WPM ( Words Per Minutes )とは?

1分間に何語話されるか(読まれるか)を示し、英語学習等では音声の速さを表します。

120WPMだと、1分間に120語読まれる速さということになります。

効果③発音等の音のバリエーションが身に付く

シャドーイングで英語らしい音声を身につけることができます。

英単語1語1語を知っていても、いざ英語でネイティブと会話をしたり、ニュースを聞いたりしたら、うまく聞き取れない。このような経験をしたことがある人が多いですね。

悩む人

分かる!知ってるはずの単語なのに聞こえないのよね。

英語は必ずしも辞書通りに発音されるわけではありません。当然、何らかの変化をするわけですね。だから、知っている単語なのに聞こえないことがあります。

シャドーイングをすることで、発音・イントネーション・強勢(ストレス)音の連結や欠落などの音の変化等を覚えて、実際に使われている英語を聞き取ることができます。


さらに、英語らしい音声が身に付くということは、英語らしい発音ができるようになり話す力も向上します。

頑張って英語で話しかけても通じないのは悲しいですね。文法的なミスは少ないのに、日本語的な発音のために、うまく相手に伝わらないことはよくあります。

シャドーイングを繰り返すことで、ネイティブらしい発音を身につけることができるんですね。

私自身の体験を1つ紹介するよ。

たそ

体験報告

私は留学経験がないので、英会話や発音には本当に自信がありませんでした。ネイティブスピーカーと一緒に働く機会があったので、英語をうまく話したいと思って、シャドーイングを一生懸命練習しました。

自分ではあまり発音の変化は意識できていませんでしたが、ある日、ネイティブの方に「最近、発音よくなったよ。話しかけられた時、一瞬ネイティブかと思った」と言われ、本当に嬉しかったのを覚えています。

効果④集中力が高まる

シャドーイングは高い集中力が求められる練習方法。とても疲れます。

普通のリスニングであれば、英文の意味を聞き取る、情報を聞き取ることが目的だから、一語一語をすべてを聞き取る必要はありません。

一方、シャドーイングは流れてくる英文を再現する練習。すべての単語を完全に聞き取って、繰り返さないといけません

冠詞( a / an / the )や前置詞 ( in / on / at / of ...)など完全に聞き取る練習だから、すごく音声に集中して聞く必要があります。

高い集中力が必要なシャドーイングをすることで「集中して」聞く力が身に付きますよ。この一発勝負の集中力は、リスニング問題などを解く際にも必要ですよね。


リスニングやスピーキングに効果抜群のシャドーイング。では、実際のやり方を説明していくよ。

たそ

英語シャドーイングの正しいやり方

英語シャドーイングの正しいやり方
シャドーイングの正しいやり方を確認

ここからは、具体的に英語のシャドーイングの練習方法を紹介していきます。正しい手順で練習すれば効果倍増です。

簡単な流れ

  • シンクロリーディング
  • シャドーイング(音声重視)
  • 語句の確認と音声分析
  • シャドーイング(内容重視)
  • 音読と録音
  • 音読のチェック

[1]〜[6]の項目があって、かなりボリュームがあります。きちんとやると30分〜40分くらいはかかりますね。

毎日このメニューをこなすのが理想だけど、平日は学校や仕事で忙しい場合には、平日は[2]〜[4]だけ(10分程度)で、週末に[1]〜[6]を全部、というようにメニューを工夫してもいいですね。

step
1
シンクロ・リーディング【2回】

音声を聴きながら黙読します。(小さいな声を出してもよい)

目的はこれから練習する音声を文字で確認することです。この手順は初心者用なので、慣れてきたらシンクロ・リーディングは飛ばしても、いきなり[2]からスタートでも良いですよ。

 

step
2
シャドーイング(音声重視)【2回】

音声を流しテキストを見ずにシャドーイングをします。ヘッドホンを使ってもよいですが、自分の声が聞こえるようにしましょう。音声と自分の声の両方が聞ける状態で実施することです。

ここで大事なのは「音」に集中すること。内容はあまり理解できていないかもしれませんが、聞こえてくる音に集中します。

 

step
3
語句の確認と音声分析

シャドーイングが終わったら、テキストを見て語句や内容を確認し、英文の内容を理解します。

さらに、音声分析をしましょう。音声分析とは、要するに音声を聞いて、どのように読まれているかをチェックする作業です。

チェック項目は大きく次の5つです。

チェック項目

  • ポーズ(息つぎ)の箇所
  • 音の脱落(読まれない音の)箇所
  • 音の連結
  • 強く読まれる部分
  • イントネーション(上昇か下降か)

 

こうした音の特徴をテキストに書き込んでいくと良いですね。

 

たそ
この分析をきちんとすることが大切!

 

 

step
4
シャドーイング(内容重視)【2回】

次に、テキストを見ないでもう一度シャドーイングをしてみます。英文の内容と音声の特徴はチェックしているので、最初よりもスムーズにできるはずです。

 

step
5
音読【2回】と録音

仕上げに英文を見ながら音読をしましょう。目標は、読まれる音声と同じように音読すること(オーバーラップ)です。2回という設定ですが、状況に応じて、くり返し練習しましょう。

音読も「ただなんとなく」読んでは効果が薄い。きちんとしたゴールがあるので「目的意識を持って」音読をしましょう。

ここで自分の音声を録音しておきます。最近では、スマホ等で簡単に録音ができるので便利ですね。

 

step
6
音読のチェック

最後は、自分の録音を聞いて分析した音声と比べます

気になるところがあれば、シャドーイングや音読練習をして、復習しておきましょう

音読チェックをすることはとても大切です。

毎日は無理でも、週に1度くらいは自分の英語を録音して聞き直して修正していくと、驚くほど発音が改善されます。


悩む人

結構、やることがたくさんあって大変ね。

かなりね。でもその分、驚くほど力はつくよ!

たそ

毎日6つの手順を全部するのは時間的にも精神的にも少し辛いですね。継続できる計画を組んでいきましょう。

シャドーイングのプラン例

  • 1週間は同じ英文を使用する
  • 平日は[1]〜[4]をする。2日目以降は音声分析は省略。
  • 週末に[4]〜[6]をする。ここで録音チェックをする。

これくらいのプランだと1日20分弱で終わるので、継続できそうですね。計画の組み方は人それぞれのライフスタイルに合わせたら大丈夫。大事なのは続けることですよ

シャドーイングする上での注意点は教材選び

シャドーイングする上での注意点は教材選び
シャドーイングの教材選び

効果抜群のシャドーイングですが、何を使ってシャドーイングするか、つまり教材選びに悩むかもしれませんね。それでは、自分にあった教材を選ぶためのポイントを紹介します。

教材選びのポイントは英文の速さと長さ

教材を選ぶポイントは、音声の速さと長さです。速さは先ほど出てきたWPMで考えるとよいですね。

音声の速さ教材の長さ
初・中級者100〜140wpm1分〜3分
中・上級者140〜180wpm3分〜5分

リスニングやスピーキングに苦手意識がある人は100〜120WPMくらいからスタートしておきましょう。

音声の長さは3分程度にしておくのが無難。「3分って短い」と思うかもしれないですが、シャドーイングするとなると、かなり長く感じますよ。

教材は、分析をするためにスクリプト(英文)が分かるものにしておこう。

たそ

音声を分析するためには、音声素材に加えてスクリプト(英文)が必要になりますね。

ネットで気軽に教材が欲しい」ということであれば Voice of America English Newsをおすすめ。ニュースサイトですが、英語学習のためのページが豊富で、実際のニュースよりもゆっくり、はっきりと英語が読まれます。

非ネイティブ向けに作られているので、かなり聞き取りがしやすいので、初・中級者の方は試すとよいですよ。

VODより転載

残念ながら日本語訳がついていませんが、無料で良質なネイティブの音声を聞くことができます。シャドーイングに向いている記事は"Intermediate Level" にたくさんありますよ。

intermediate(中級)を選びましょう。

市販のものであれば『決定版 英語シャドーイング[超入門]』はシャドーイングを一から無理なく始められる1冊です。

著者は音読やシャドーイング関連の本でよく目にする玉井健さん。神戸市外国語大学でリスニングとシャドーイングの研究をされています。言ってしまえば、シャドーイングの第一人者。

この本でシャドーイングの基礎から学んで、練習することができます。シャドーイングの最初の1冊とするのはよいですね。

慣れてきたらVOAを使ってみたり、英語のニュースや映画を利用しましょう。今では簡単に、ネットで英語が聞けるので、本当に便利になりましたね。

楽しめるものを選ぶことも必要

シャドーイングは結構しんどい学習方法ですので、たまに楽しめる教材を取り入れるとメリハリがつくのでおすすめです。楽しいと継続できるからです。

そこでおすすめなのが海外ドラマを利用する方法。

たそ

海外ドラマを見ながらシャドーイング。かなり難易度は高いかもしれませんが、気分転換のつもりで、シャドーイングの手順はちょっと置いておく。肩の力を抜いて、ドラマを楽しみながらシャドーイングしていけば十分です。

海外ドラマを利用した英語学習の方法については、別の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。

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海外ドラマ『friends』は英語学習の鉄板。海外ドラマでシャドーイングを考えている人はおすすめです。

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私の場合、英検やTOEICの検定試験や仕事に役立つような硬い英語は英語のニュースや英語の参考書から、日常会話は海外ドラマから身につけました。

シャドーイングはかなり負荷が高く、きつい練習です。

たまには楽しい教材を利用して、モチベーションを上げていきましょう。

シャドーイングで使える英語が身に付く

シャドーイングで使える英語が身に付く
シャドーイングで使える英語が身に付く

今回は、英語力を向上させるシャドーイングの効果と具体的な手順を紹介してきました。

シャドーイングは、通訳の訓練にも使われるくらいリスニングとスピーキング力の向上には効果があります。

最大の効果は使える英語力が身に付くこと。相手が話していることが聞こえるし、言いたいことが伝わります。

シャドーイングで、コミュニケーションに役立つ使える英語を身につけよう!

たそ

コツコツと努力すればきっと、使える英語が身に付きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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