英語のエッセイ、長い作文が本当に苦手でどうやって書いたらいいのかさっぱり分かりません・・
エッセイライティングが苦手な日本人の英語学習者はとても多い。
と英語教師をしながら常々感じています。
コツさえ掴めたら、エッセイライティングの方がずっと楽なのに・・・。
短文の英作文はできるけど、文章を書くとなると、まったく筋の通らないデタラメなものを書く生徒が多い。
思いつくことをだらだらと書くのではダメです!
筋の通ったエッセイを書くには、色々と方法論はありますが、今回は1番簡単なエッセイの書き方を解説します。
特にエッセイライティングが苦手な人にとっては、エッセイのパターンをしっかりと押さえていきましょう。
この記事では、エッセイの基本パターンである「3部構成」を紹介します。
とりあえず、これを押さえておけば困ることはありませんよ。
この記事はこんな人向け
- 英語のエッセイ を書くのが苦手
- エッセイライティングは何から書けば分からない
- 一番簡単な英文エッセイの書き方が知りたい
動画でも解説していますので、合わせてご覧ください。
英語エッセイは3部構成で書け!
まず最初に、英語エッセイの基本構成を考えていきましょう。
いろいろなパターンはありますが、まずは基本中の基本、「序論・本論・結論」という「3部構成」のパターンを身に付けましょう。
この通りに書けば、大外れはあり得ません。
つまり合格ラインの6〜7割は最低限ゲットできるわけです。
説明だけだと分かりにくいので、英検のエッセイ問題の解答を例にして考えましょう。
具体例
Agree or disagree: Global overpopulation is a serious threat to the future of humankind
There are numerous reasons why overpopulation threatens the future of humankind. But I believe the gravitas of the issue can be understood best by considering the impact unrestricted population growth has on economies, resources, and the environment.
Firstly, statistics indicate that population growth correlates negatively with economic performance. Experts attribute impressive economic growth to citizens' high level of savings and investments. However, people in countries with growing populations tend to have large families, and many of these households are unable to save money or make investments due to increased living costs, which impacts economic development.
Furthermore, the strain on resources from overpopulation can manifest itself in many ways. Food shortages, for example, still affect many poorer countries. Attempts to improve agricultural yield in answer to greater demands of larger populations are hampered by limited land space, and with the earth's finite capacity to produce such resources, the problem will likely worsen.
Finally, environmental degradation caused by overpopulation cannot be ignored. Humans' reliance on the planet has intensified in the wake of population booms over the last century, as evidenced by environmental issues such as climate change. While solutions are frantically being researched, many believe the damage to nature may be irreversible.
Clearly, without some measure of population restriction, the future appears bleak. Stagnated economies, resource exhaustion, and a withered earth are just some of the issues we must resolve if we are to leave a legacy of hope for later generations.
ちなみにこの問題は、"Global overpopulation is a serious threat to the future of humankind."について、賛成か反対かを120〜150語程度で書きなさいという感じです。
ざっくり和訳
トピック:世界的な人口増加は人類の未来の脅威となるか。
(序論)
①人口過剰が人類の未来を脅かす理由は様々だ。しかし、経済・資源・環境に人口過剰が与える影響を考えることで、この問題の深刻さを最もよく理解し得る、と私は信じている。
(本論)
②まず最初に、統計によると、人口の増加は景気動向に、悪い意味で、関連がある。専門家は、優れた経済成長は市民の高い貯蓄率と投資によるものと主張している。しかし、人口が増えている国々の人々は、大家族であり、それら多くの家庭では、生活費がかかるため、貯蓄をしたり、投資をすることができず、結果として、経済発展に悪影響を与える。
③さらに、人口過密によってもたらされる資源への重荷は多くの点で見受けられる。例えば、食糧不足は、いまだに多くの貧困校に影響を与えている。増大する人口の需要に応えるために農業生産量を増やそうとする試みも、限られた土地のためにうまくいかない。地球は、そうした資源を限定的にしか生産できないので、この問題はさらに悪くなるだろう。
④最後に、人口過密によってもたらされる環境悪化も無視し得ない。過去1世紀にわたる人口増加に伴い、人類が地球に寄せる信頼も過剰なものになってきており、それは気候変動のような環境問題により証明されている。解決策が必死に模索されているが、多くの人は自然に対する損害は回復できないかもしれないと信じている。
(結論)
⑤何らかの人口を制限する手段がなければ、将来の見込みは暗くなるだろうことは明らかだ。もし、後の世代に希望という遺産を残そうとするのであれば、停滞した経済、資源の枯渇、荒れ果てた地球、これらは、まさに我々が解決しなくてはならない問題である。
全部で5つのパラグラフ(段落)から成り立っていますが、きっちり「序論・本論・結論」の3部構成です。さすが英検協会の模範解答ですね。
●「序論」では、文章全体のトピックを述べたのちに、自分の主張を付け加えます。
上の例では第1パラグラフが「序論」になります。この自分の主張の方向性でエッセイ全体が決まりますよ。
●「本論」は、「序論」で述べた自分の主張を支持するための根拠を書きます。
上の例では第2〜4パラグラフが「本論」になります。根拠の内容は、具体的には「理由、例」になります。
●そして、「結論」では、「本論」で展開した根拠をまとめ、「序論」で書いた自分の主張をもう一度繰り返します。上の例では第5パラグラフが「結論」になります。
3部構成
- 序論:文章全体のトピックの設定+自分の主張
- 本論:主張の根拠(理由・説明・具体例)
- 結論:主張の繰り返し
たったこれだけで、立派なエッセイライディングの出来上がり!
すごく簡単に書けます。
もう少し具体的に内容をみていきましょう!
英語エッセイの構成①序論(Introduction)
まずは、序論からみていきます。
書くべき内容は、文章全体のトピックと自分の主張です。
序論はかなり重要で、この段落でエッセイ全体の方向性が決まります。
序論の構成
①There are numerous reasons why overpopulation threatens the future of humankind. (⇦文章全体のトピック)
②But I believe the gravitas of the issue can be understood best by considering the impact unrestricted population growth has on economies, resources, and the environment. (⇦自分の主張)
序論は2文で構成されています。
まず1文目で、「overpopulation(人口過密)についての話ですよ」と明確にしています。ついでに言うと、「threaten(脅かす)」を用いて「人口過密には否定的だよ」と示していますね。
次に、2文目で、「overpopulationについて自分がどう考えるか?」という主張を述べていきます。「人口過密に否定的だけど、economies, resources, and the environmentの点で良くないよ」と言うのが主張になりますね。
今回の序論で述べているように、「私は、無制限な人口の増加に否定的だけど、それは、経済・資源・環境の点から明らかだよね。」と言うのが主張になります。
ここまで序論で書けると、本論はとても書きやすくなりますね。
主張の根拠となっている「無制限の人口増加が経済・資源・環境に与える悪い影響」を具体的に書いていけば良いだけです。
序論の構成
- 文章の全体のトピック(何の話か?)
- そのトピックに対する自分の主張
英語エッセイの構成②本論(Body)
続いて、本論を確認します。
書くべき内容は「主張の根拠(理由・説明・具体例)」となりますよ。
本論の構成
(2) Firstly, statistics indicate that population growth correlates negatively with economic performance. Experts attribute impressive economic growth to citizens' high level of savings and investments. However, people in countries with growing populations tend to have large families, and many of these households are unable to save money or make investments due to increased living costs, which impacts economic development. (⇦経済面での悪影響)
(3) Furthermore, the strain on resources from overpopulation can manifest itself in many ways. Food shortages, for example, still affect many poorer countries. Attempts to improve agricultural yield in answer to greater demands of larger populations are hampered by limited land space, and with the earth's finite capacity to produce such resources, the problem will likely worsen. (⇦資源面での悪影響)
(4) Finally, environmental degradation caused by overpopulation cannot be ignored. Humans' reliance on the planet has intensified in the wake of population booms over the last century, as evidenced by environmental issues such as climate change. While solutions are frantically being researched, many believe the damage to nature may be irreversible.(⇦環境への悪影響)
序論で「economic(経済)、resources(資源)、environment(環境)」という3つのキーワードを使ったので、「無制限の人口増加」がそれら3つにどう悪い影響を与えるのか」について、順番に具体的に書いていけば大丈夫。
とても単純です。
もっとも、この具体例の内容をしっかり書けるかどうかで高得点か合格点止まりかの差がつきます。
(2)では「経済に与える悪影響」が書いてありますね。「人口が増えすぎて、家庭の所得が下がると、貯蓄や投資ができずに、経済力が弱まる」という理由づけです。
(3)では「資源面における悪影響」です。「例えば、人が増えすぎちゃうと、食糧不足になってしまうよ」と具体例を出してきています。
(4)では、「環境への影響」です。「人口増えすぎて、環境が悪化してる。気候変動とかの例を見ても、もう地球の回復力では追い付かないよ」とここも具体的に述べています。
このように、主張の根拠を具体的に広げて書いていけば良いだけになります。
ここで2つ注意点。
1つ目!1パラグラフ1アイディアで書くましょう。
3つの具体例を1つの段落に書き込むのは避けましょう。
「1つのパラグラフに1つのアイディア」がパラグラフライティングの基本です。
読み手が最初の1文を見て、パッとパラグラフの内容が分かるように、書く内容は1つに絞りましょう。
2つ!ディスコースマーカーを使って、分かりやすい構成にしよう!
「ディスコースマーカー」とは、簡単にいうと「文の標識」です。
今回の例でいうと、それぞれのパラグラフの最初に出てきていますね。また、(3)の文中にも使われています。
- Firstly(まず最初に)
- Furthermore(さらに)
- for example(例えば)
- Finally(最後に)
こうしたディスコースマーカーを使うことによって、パラグラフとパラグラフのつながりがはっきりとして、読みやすい・理解しやすい英文になりますよ。
本論の構成
- 序論で書いた主張の根拠
- 具体例・具体的説明・理由を書く
- 1パラグラフ1アイディアで書く
- ディスコースマーカーを使う
ディスコースマーカーについては、別の記事でもまとめていますので、合わせてお読みください。
-
【英語長文のコツ】ディスコースマーカーで読解力アップ!
続きを見る
英語エッセイの構成③結論(Conclusion)
最後に結論になります。
結論に書く内容は「主張の繰り返し」になります。自分の主張のダメ押しをしておく、という発想ですね。
結論の構成
(5) ①Clearly, without some measure of population restriction, the future appears bleak. ②Stagnated economies, resource exhaustion, and a withered earth are just some of the issues we must resolve if we are to leave a legacy of hope for later generations.
今回の例では、5段落目が結論になります。単純に、主張を繰り返せば良いだけなので、そこまで難しく考える必要はありません。
①の文では、「人口増加を制限すべし」という主張を少し表現を変えて述べていますね。
この「表現を変えて」というところが難しいと思うかもしれないけど、単語を変えたり、能動態と受動態に変換する(またはその逆)だけでも、結構変わってくるよ。
②の締めの文では、自分の主張だけでなく、「願望」や「希望」的な文が入っています。「後世のために、私たちが解決しないといけない問題だ!」と力強く述べられていますね。これを入れると、エッセイの最後がグッと引き締まります。
結論の構成
- 主張を表現を変えて繰り返す
- 最後に「願望」や「希望」的な文章で締めくくる
まとめ 英語エッセイの書き方はパターン通りで大丈夫
今回は、英語のエッセイの書き方、基本のパターン三部構成を紹介しました。
もちろん、エッセイの構成方法は無数にありますが、特に英語のエッセイが苦手な人は、今回紹介した3部構成のパターンを押さえておけば困ることはありません。
まずは、3部構成のパターン通りに書く練習からスタートしていけば、苦手なエッセイを克服することができますよ。
基本を押さえて、いろんなパターンを知りたいという人は、英文をたくさん読んで真似することをお勧めします!
良いエッセイの構成を知るには、英文を読むのが一番。
パラグラフリーディングの視点を入れて英文を読もう。
パラグラフリーディングについては、別の記事にまとめていますので、合わせてお読みください。
きっと、エッセイライティングの参考になります!
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【英語長文のコツ】パラグラフリーディングで長文攻略
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最後までお読みいただきありがとうございました。