「英語の勉強方法」を調べていたら、たくさん勉強法があって、何から手をつけたらいいのかよくわからない。
いざ、英語の勉強をしようと思って、少しネットで調べてみれば、いろんな人の意見や口コミが見つかり、山ほどいろんな勉強方法が出てきます。
多くの勉強方法、英語教材、アプリなどを目にして、「一体どんな勉強をしたらいいのか?」「何から始めたらいいのか?」と悩む人も多いはず。
やはり勉強は、効果があるものをした方がいいよね。
もちろん、英語の勉強方法には個人差があるし、英語の学習方法に関する意見もさまざまです。
高校で英語を教えている立場から、選んではいけない勉強方法などの失敗例から、「絶対に効果ある!」と自信を持っておすすめできる勉強方法、さらには英語学習を成功させるコツを解説します。
この記事で分かること
- 選んではいけない英語の勉強方法
- 確実な英語学習方
- 英語学習を成功させる秘訣
英語の勉強をしたいけど、何から始めたらいいのか悩む人はぜひ参考にしてください。
やってはいけない英語の勉強方法
おすすめの英語学習法を紹介する前に、やってはいけない英語学習と英語学習に失敗してしまう人の特徴から解説します。
高校で英語を教えていて感じることですが、勉強している割には結果が出ない人の特徴は次の4パターン。
このパターンに陥らないように注意しておきましょう。
多くの勉強法や教材に手を出している
あれこれと多くの勉強法や教材に手を出してしまうのは失敗の一番大きな原因。
少しだけ取り組んで、「やっぱり違うかも・・・」とか「他の方法がいいのかな」と悩んで、次々と新しい教材を買ったり、別の方法に挑戦したりしていませんか?
どんなに優れた勉強方法や教材でも中途半端に取り組んだらあまり効果はありません。
これと決めたものをある程度継続して取り組まないと意味がない。
そのためにも、色々なものを同時進行的に取りかかってはいけない。
特に、英語力の伸び悩みを感じているときには、他の人の学習方法や教材がよく見えてしまう。
ぶっちゃけて言うと、問題集や参考書の内容はそこまで大きな差はない!
もちろん、個人差はあるけれど、教材の内容に関しては、そこまで差はない。
大切なのは、その教材をしっかり使い切って学習を続けるかどうか。
多くのものに手を出さずに、自分で決めたものをある程度学習を継続していきましょう。
それでも結果出ないのであれば、別の教材や学習方法を検討する必要がありますが、まずはある程度やる切ることを心がけましょう。
すぐに結果を求めている
英語の勉強は、すぐに結果が出るとは限りません。
すぐに結果が出るのは超レアケースです!
最低でも2〜3ヶ月位は1つの方法や教材で勉強を続けないと、英語力アップを実感できないし、模試や検定試験の結果も思うようにはなりません。
勉強法や教材を少し取り組んでみたけど、すぐに英語力が上がらないからと、あきらめてしまったり、別の方法や教材に飛びついていませんか?
もちろん個人差があることは認めますが、先ほどと同様に、ある一定期間は我慢して勉強する必要があります。
甘い言葉に惹かれてしまう
「簡単に」、「楽して」、「〇〇だけで」などの甘い言葉に誘惑されていませんか?
楽して、簡単に英語ができるようになったら、それはそれで良いことです。
しかし、私の経験上、あまりそういった甘い言葉で宣伝された学習方法は効果的とは言えません。
代表的なものは「聞き流すだけで英語が話せるようになる」という魔法のような学習方法。
正直言ってあり得ない、と思います。
あくまで私の経験上ですが。
「英語の勉強自体が楽しい」ことはあるけど、やはり楽しさの中に、ある程度の根気や努力の積み重ねが必要。
例えば、海外ドラマや洋楽等を利用して、楽しみながら勉強することは可能ですが、決して楽な方法ではありません。
甘い宣伝文句に惑わされずコツコツ勉強することが大切ですよ!
計画性がない
最後の失敗パターンは勉強の計画性がないこと。
具体的に言えば、次のような学習が計画性がないと状態です。
- 1日の勉強で何をするのか決めていない
- やることが日によってバラバラ
- やったりやらなかったりする日がある
大雑把でも良いので、1日にすることと1週間の学習内容を決めておくと、計画性のある学習ができます。
例えば、私が英検1級の勉強をしていた時期の学習計画は次のような感じです。
英検の1次試験対策で主に取り組みたかったのは、まず語彙力、続いて、リスニング、作文。長文は自信があったので優先順位は低めです。
学習の計画例
●毎日やること
- 朝起きたら30分単語帳で単語を覚える(月〜金)
- 夜寝る前にリスニングか作文の過去問を1題解く(月〜土)
●週末にすること(土)
- 6日分の単語の復習
- 長文を3題解く
●日曜日は予備日で空けておく
英検を受験した当時、すでに働いていたので、あまり無理せずに勉強ができるように計画を立てました。土日がお休みの週休2日です。
朝30分だけ早めに起きて、単語をコツコツ。夜寝る前に、リスニングと作文を交互に1題だけ解く。
土曜日は語彙の復習をして、長文をガッツリ3題。
日曜日はお休みです。万が一、平日にできなかったものがあれば、日曜日を使って消化します。
あくまでも1つの例だけど、毎日やることがはっきりしていると、メリハリつけて勉強できるし、継続して勉強していくことができるのです!
こうした4つの失敗パターンに当てはまらないように勉強をしていくことが、英語力の向上には必要になってきます。
「何から始めたらいいのか分からない」と悩む人は、まずやる事を決めて計画的にコツコツ勉強を続けていけばいいですね。
現役教師が進める効果的な勉強法
それでは、現役の高校英語教師の視点から、継続して勉強すれば、確実に効果が見込まれる英語学習法を4つ紹介していきます。
これから紹介する学習法は、私自身も試してみて、英語力アップに効果を感じたもの、私が教えてきた生徒が実践して効果があったものを厳選しています。
今から紹介するものにすべて挑戦!と言うことではなくて、自分の今の英語力に必要なもの選んで試してください。
この4つのうちどれか1つでも始めると、確実に英語力アップが実感できます。
英単語の暗記と英文法の定着
効果的な勉強法①は英単語の暗記して英文法を定着すること。
単語と文法がおすすめの人
✔︎ トータル(4技能)の英語力の底上げがしたい
✔︎ 英語が苦手で何から手をつけたらいいか分からない
すごく当たり前っぽいですね・・・・。
そうだけど、英語が言葉である以上単語力と文法の知識はマスト!
単語を覚えること、英文法が苦手、と言う人は多い。
しかし、逆に言うと、ある程度単語を覚えて文法が分かれば、英語はあっという間にできるようになる、と言うことです。
英会話には英文法は必要ない?
という宣伝文句を見かけるけど、そうした教材はお決まりのフレーズを覚えるという学習方法。
お決まりのフレーズを覚えて、「フレーズに登場する英単語を変えるだけで言いたいことが言えるようになる。」という理屈。もちろん、一定の効果はあるけど、やはり英文法は知っておいた方がいいし、むしろ英文法いるだろ!と思います。
「英単語を変えるだけ」と言っても、そもそも英単語を知らないといけないし、英文法を知らないと、どこの何を変えていったらいいのかイメージが湧かない。
英単語や英文法を知っておくと応用が効く。
「お決まりのフレーズを利用して、自分の言いたい事を言えるようになる」のは単語と文法をある程度知っているからこそ可能になるわけです。
どんなものを使って単語や文法を勉強したらいいですか?
単語力や文法力を身に付けるには、市販の単語帳や文法書を1冊選んで取り組んでいけば大丈夫。
おすすめの単語帳や英単語の勉強方法については、別の記事でまとめていますので参考にしてください。
-
【現役英語教師がすすめる】英単語帳10選|高校入試からTOEICまで
続きを見る
英文法に関しては『総合英語evergreen』を丁寧にやり遂げれば完璧です。
-
英文法参考書対決 いいずな書店『Evergreen』 VS 桐原書店『FACTBOOK』
続きを見る
ただ、『総合英語evergreen』は高校生以上が対象なので、文法が極端に苦手な人は中学英文法からの学び直しからスタートしましょう。
-
名著『くもんの中学英文法』が改訂。使い勝手をレビュー|現役英語教師が解説
続きを見る
英単語を増やすこと、文法を勉強することにコツコツ取り組めば、確実に英語力がアップしていきます。
英語音読
効果的な勉強法②は英語音読。
英語音読は「英語を声に出して読む」というシンプルな勉強方法。
音読がおすすめの人
✔︎ トータル(4技能)の英語力の底上げしたい
✔︎ スピーキングとリスニングが弱い人
学校の授業でやっていたけど、音読って意味あるんですか??
音読ほど簡単で効果的な英語の練習方法はないよ!
英語音読は、どの参考書や問題集でもおすすめされている練習方法。ほとんどの長文問題集にも音声が付いていて、音読できるようになっています。
しかし、それを利用して音読している人はほとんどいないというのが悲しい現実。
正しく音読練習をすれば、びっくりするくらい多くの効果があります。
音読の効果
- 単語や表現の定着
- 英語の発音・アクセントが身に付く
- スピーキング・リスニング力の向上
- 頭の中に英語の回路ができる
英語を声に出して読むだけで、こんなにたくさんの効果のある音読。
やらない手はないですよね。
ただし、音読は正しいやり方で取り組まないと、あまり意味がありません。
ほとんどの英語学習者が正しいやり方を理解していないから、「音読は意味がない」と否定されているんですね。
音読の注意点
- 簡単で100%理解ができる英文を使う
- ネイティブの音声を聞いてマネする
- 繰り返し何度も読む
✔︎音読する英文は単語の意味や文法項目なんかが100%理解できるものを使いましょう。
理解不十分な英文を音読しても効果が薄い。自分が理解できるレベルの教材を使いましょう。学力的には自分の英語力の少し下くらいがおすすめです。
✔︎ネイティブの音声を聞いて、しっかりマネをして音読しましょう。
音読するにしてもデタラメな発音で読むのではあまり意味がない。正しい発音でそれらしく音読することで、発音はもちろんリスニング力もぐっと向上します。
✔︎同じ英文を何度も何度も繰り返し読んでいきましょう。
さらっと2、3回読むだけでは音読は効果がほぼありません。1つの英文を最低でも20〜30回は読みましょう。
何種類ものたくさんの英文を音読するよりも、同じ英文を何度も繰り返し音読した方が良いですよ。
音読の学習方法については、別の記事で詳しくまとめていますので合わせてお読みください。
-
【英検・TOEIC対策にも】3ステップ正しい英語音読の方法
続きを見る
英文和訳
効果のある勉強法③は英文和訳。
英文を日本語に訳すという、伝統的な英語の学習方法ですね。
英文和訳がおすすめの人
✔︎ 英語を読むのが苦手
✔︎ 英文読解力を上げたい
日本語訳って意味あるんですか?時代遅れな感じがするけど??
最近の授業では日本語訳をさせる授業が少なくなったような気がします。英検やTOEICもマーク式で、和訳練習の必要性が減ってきています。
日本の英語教育の1つの流れかもしれませんが、「内容把握>日本語訳」という風潮がありますね。
「日本語訳ができなくても、内容把握ができれば良い」という考え方だけど、一方で「和訳はできないけど、内容はなんとなく把握できた」という人が多いのが現状。
しかし、僕の経験上、「なんとなく内容を把握できた」というのは、結局は、自分が読める部分だけを繋ぎ合わせて、なんとなく読んでいるだけです。実際は、正しく読めておらず、内容を読み間違ったりすることも多々あります。
その「なんとなく」の部分をはっきりと、正確に読んでいくため、言い換えれば、確かな英文読解力、内容を把握する力を上げるために、日本語訳は最適な練習方法。
英文(長文)を読む勉強法として、次の2つのやり方が一般的。
- 長文問題を解いて、解答や解説を見て、答え合わせをして、ポイントを確認する
- 長文を日本語に直す
後者(日本語に直す)の方が圧倒的に時間がかかるし、負荷が大きいから敬遠されがちです。
繰り返すけど、日本語訳ほど英文読解力を鍛えられる方法はありません!
英文を正確に日本語に直すためには、単語の知識はもちろん、文法や構文をきっちりと掴む力が必要です。
「日本語に直すのはちょっと面倒くさい」
と思うかもしれませんが、英文和訳は時間をかける価値があります。
英文を読んで、うんうん悩みながら、日本語に直すと言う作業で英語力は確実に向上します。
おすすめの長文問題集に関しては別の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。
-
【厳選】英語長文問題集の選び方|現役英語教師がおすすめする10冊
続きを見る
上記の記事で紹介しているものは、どれも手応えのある英文が魅力です。
自分の英語レベルに合わせて利用してみましょう。
日本語に直すのが極端に苦手という人は、中学校レベルに立ち戻って英文を読む練習をすることをおすすめします。
くもんの『中学英語リーディング (スーパーステップ)』は、中学生向けのリーディング参考書ですが、英文を読む練習を基礎からすることができますよ。
-
中学英語の長文対策に!『SUPER STEP中学英語リーディング』|現役英語教師が解説
続きを見る
英語多読
効果のある勉強法④は英語多読。
英語多読は、その名の通り英語をたくさん読む勉強方法。
英語多読がおすすめの人
✔︎英語を読むの苦手
✔︎英語を読むのが遅い
✔︎リーディング力を上げたい
英語多読でリーディング力、英文を読むスピードが格段に向上します。
辞書を使わずに、とにかくどんどん読んでいくだけで、リーディング力がググッと上がる英語多読。
日本人の英語学習者に圧倒的に足りないものは英文を読む量です。
中学校から高校までの6年間の英語の教科書の英文を全部合わせても、英文の量は文庫本1冊程度にしかならないのが現状。これでは、読む力はなかなか身に付かないですよね。
英語多読って難しそうなイメージがあります。
英語多読という勉強方法は、簡単なルールがあるけど、そこまで難しいわけではありません。先ほど紹介した英文和訳よりも気楽に取り組めます。
3つの注意点を守れば、誰でも英語多読はできます。
英語多読のポイント
- 辞書は使わない
- 分からないところは飛ばす
- 面白くなかったら別の本にする
たったこれだけです。
つまり、辞書を使わなくても良いレベルの簡単な英文を、気が向いた時に、楽しみながら気楽に読んでいくだけです。
簡単な英文を読む意味なんかあるんですか?
もちろんある。というか効果のない方法は紹介しないよ!
英語多読で読書量をあげていくと、英語の回路が頭の中に造られるから、英語の語順通りに理解する力、単語の予測力などが身に付き、読むスピードもググッと上がります。
英語多読については、別の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。
-
【驚きの効果!】英語多読の効果的な方法
続きを見る
以上紹介した4つの方法は、どれをやっても、どれから始めても、確実に効果が上がる勉強方法です。
ただし、最初に紹介したような失敗パターンに当てはまらないように。
その点だけは注意をしておきましょう。
まとめ 英語の勉強を成功させる秘訣は?
今回は、英語の勉強法で悩む人向けに、現役英語教師の立場から、始めるべき効果的な勉強法を4つ紹介しました。
最後に、英語の勉強を成功させる秘訣について紹介したいと思います。
それはぜひ知りたいですね!
成功の秘訣は、さっき説明した「よくある失敗」の逆をすれば良いだけだよ。
つまり、勉強を成功させるには、次の3つポイントを押さえて勉強していくことになります。
英語学習成功の秘訣
- 取り組む教材・勉強方法を絞り込む
- 最低2〜3ヶ月継続して勉強する
- 学習の計画を立てる
たくさんの教材に手を出さず、これだ!と決めた教材や勉強方法を、計画的に数ヶ月取り組む。
このポイントを押さえた学習をすれば、英語力は必ず向上します。
私自身、学生時代は英語がまったくできなかったですが、きっちり勉強を続けることで、偏差値も上がり、難関と言われる英検1級も合格できています。
その経験から言えますが、正しく継続的に勉強さえすれば、誰でも英語はできるようになる!
諦めずにコツコツと勉強していきましょうね!
最後までお読みいただきありがとうございました。